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【ネタバレ解説】「この世界の片隅に」能年玲奈こと”のん”が覚醒!ムシ描写からみる某カルト映画との共通点

【ネタバレ解説】「この世界の片隅に」能年玲奈こと”のん”が覚醒!ムシ描写からみる某カルト映画との共通点

この世界の片隅に(2016)

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監督:片渕須直
声の出演:のん、
細谷佳正、稲葉菜月、
小野大輔、潘めぐみetc

評価:85点

今年は満点クラスの最強アニメが
3本も、しかもジブリではないところ
から出ている異例の年だ。

君の名は。」「映画 聲の形」、
そして昨日、ついに最後の
バケモノ「この世界の片隅に」
が公開された!!!

東京国際映画祭や試写評判を
聞くと、けなす人0人、
皆満点クラスの評価

つけている。キネマ旬報も
戦争映画の大事な作品だと
太鼓判を押しているだけに、
恐らくキネマ旬報ベストテン
日本映画1位当確
なんじゃないかと
思われる。
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って事で、ユーロスペースに
観に行きました!
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開場1時間半前に来て並んだので、
整理番号5番でしたが、
30分前には長蛇の列ができており、
見事満席になりましたよー

「この世界の片隅に」あらすじ

こうの史代の同名漫画の映画化。

時は1944年、戦時中の広島。
絵の得意なおっとりとした性格の
浦野すずはお見合いで北條周作
に嫁ぐ。

広島市から呉に移り住む彼女だが、
気の強い周作の姉にたじたじに
なりながらも楽しく生きていた。

しかし、戦争が激しくなり
配給も滞り、空襲が毎日来るようになり
そんな生活が脅かされていく。

そして1945年8月6日のXデー
静かにやってくるのだった…

のんが”すずさん”と完全シンクロ!!

こうの史代といえば「夕凪の街 桜の国」
でも魅せたように、おっとりとした
性格の女の子が、明るく楽しく
生きようとすることで、
戦争や貧しさを乗り越えようとする
漫画を書く方だ。

「戦争物」特集の陰惨でシリアスな
描写とは真逆の明るくほんわかした
タッチが、心に染みて泣けてくる。

「夕凪の街 桜の国」は
田中麗奈、麻生久美子を起用し
実写化されたのだが、
「この世界の片隅は」を観た後では、
こうの史代の世界観を
役者さんが再現できてないのでは
と思うほど(もちろん傑作なのだが)
能年玲奈こと「のん」の演技が凄まじい。

こうの史代特有の、
「ありゃ~」とか「大変だねぇ」
といった、ゆる~い感じを
120%発揮しているのだ!

もう「すずさん」は「のんさん」以外
ありえないと思うほどのシンクロ率に
鳥肌が立った。

そして、完璧にあのほんわかさを
演技で再現することで、
空襲が激しくなり広島が凄惨な
状態になっていくうちに失われていく
すずさんの笑顔、明るさが
観客の心にずぅうーーーーんと
のしかかる。

芸名改名後もマスコミや事務所に
干されっぱなしの「のんさん」だが、
ここまでの実力を持っている素敵な
女優さんを放置しているとは
何事だ!と思うほどに、のんさんが
可愛そうに思えてきた。

惜しー-い、唯一にして致命的なミス

Twitter等で大絶賛され、
酷評皆無状態の本作だが、
ブンブンは正直過大評価だろうと感じた。

いや、もちろん凄い。
ブンブン、「君の名は。」同様
冒頭10分で泣きましたw

絵も凄い、空襲シーンの細かい描写なんて
神がかっている、前述の通りのんさんも
演技が神っている。

しかし!
大きなミス、それも観逃すわけには
いかないミスがあったのだ。

それは「コメディシーンや空襲シーンの余韻がない」
ことにある。
町山智浩さんがたまむすびで、
「『マッド・マックス:怒りのデス・ロード』並に
展開が早いよ!」と語っていた。

126分で監督は、広島戦中の暮らし、そして
原作の良さをすべて盛り込もうとしたのだろう。
制作の過程で、上映時間が長くなり過ぎたのだろう。

余計なシーン1秒単位で削り、
まさに怒りのデス・ロードのように
剛速球でストーリーは進む。

1945年8月6日へのカウントダウンの
緊迫感を表現する表現としては素晴らしい。
こうの史代のゆる~い、ゆったりと
した時間の流れと怒りのデス・ロード
が見事に調和している点も
評価できるポイントだ。

しかし、あまりにも
時間短縮を意識するあまり、
すずさんのギャグやドジを
しっかり魅せずに次のシーンに行くもんだから、
笑いどころなのに、笑っているうちに
次のシーンにいってしまうのだ。
コメディ描写として、観客が笑う余裕を
作って欲しかった。

同様に、空襲シーンも
凄い演出で圧倒させるのは良いが、
数秒後には次のシーンに
移ってしまうの。
折角、片渕須直監督は
「ACE COMBAT 04 shattered skies」
のゲーム内ムービーの監督・脚本
をしており、戦闘機・軍艦描写
に長けているのに出し惜しみ
しすぎである。
(ちなみに片淵監督は次回「エースコンバット」
の脚本を担当する予定だそうです)

コレばかりは、いくら本作が
傑作でも見逃せない致命的なミスである。

ムシ描写を観て某カルト映画を思い出す

町山さんがたまむすびで、
ムシの描写について語っていた。

本作ではトンボやアリといった沢山の
ムシが効果的に使われており、
例えば配給がストップし、
砂糖すら舐められないシーンで
唐突にミツを吸っているカブトムシの
シーンが挿入される。

ムシ界の平和と裏腹に地獄の
人間界とのコントラストを利かせているのだ。

これらのシーンを観て、ブンブンは
「まぼろしの市街戦」というカルト戦争
映画を思い出した。

戦時中に軍人が精神病院に逃げ込むと、
そこにいる障がい者たちは、
空想の世界で楽園を作っていたという作品。

文明人は自分たちが勝っていると思いがちだが、
実は戦争をしていて極めて野蛮。
反対に野蛮人だと思われた人こそが、
平和で文明的だという皮肉が
込められている。

まさに「この世界の片隅に」の
人間とムシの対比は
「もぼろしの市街戦」の
軍人と障がい者の対比と
構造が同じなのである。

最後に…

町山さんが語っていたとおり、
本作は何回も観る必要のある作品だ。

あまりに一つの絵に凝縮される
情報が多すぎる。
学校の書道の授業シーンで、
生徒の書く「広島城天守閣」が
「廣島城天守閣」と旧字体になっている
みたいなこだわり一つ取っても、
ワンシーンの濃さが分かる。

なので、ブンブンまた観たいなり!

ブロトピ:映画ブログ更新

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