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TIFF2016鑑賞記録12「アクエリアス」ただの立ち退きバトル映画ではありません!

TIFF2016鑑賞記録12「アクエリアス」ただの立ち退きバトル映画ではありません!

アクエリアス(2016)
AQUARIUS(2016)


監督:クレベール・メンドンサ・フィリオ
出演:ソニア・ブラガ、
メイヴ・ジンキングス、
イランジール・サントスetc

評価:80点

本年度カンヌ国際映画祭で、
シエラネバダ」同様批評家
評判がメチャクチャ高かった
にも関わらず無冠に終わった
ブラジル映画。

立ち退きを迫られた
老人と企業との戦いを
描く話。
2年前にアカデミー賞にノミネートされた
ロシア映画
裁かれるは善人のみ
を思わせるのだが果たして…

「アクエリアス」あらすじ

ブラジルの湾岸都市レシフェ。
1940年代に建てられ、愛する夫と
人生の大半を過ごしてきたアパート・
アクエリアス。
夫に先立たれた妻は、
想い出の詰まったアクエリアスで
優雅に暮らしていた。

しかし、レシフェは観光都市へと
変わりつつあり建築会社による
高級マンション建設プロジェクトが
始まっていた。

その波はアクエリアスにも押し寄せる。
他の住民は、皆退去するが、
その未亡人は自分の大切な
場所を失うまいと居座る…

ラテンの明るさが厭らしさ倍増!

上野でも、本作のような建築会社が
マンションを建てるために
古屋を壊そうと住民と
交渉することが多々行われていて、
近所の至る所に
ぽつりと一軒家が建っている周りが
更地になっているケースが多々ある。

そして、その一軒家によく
建築会社の人がぺこぺこ
頭を下げに入っているのを
観ているので、本作の
主人公の気持ちはよく分かる。

そして、本作は極めてよくあるような
平凡な物語なのだが、
ブラジル特有の陽気さを巧みに
使った演出でブラジルにしか
作れない作品が爆誕した。

ロシア映画「裁かれるは善人のみ」は
冒頭からけんか腰で市長と
市民のバトルが勃発するのだが、
この「アクエリアス」は
建設会社の人も主人公の女性も
ニコニコしている。
そしてリゾート地の
美しい海と青い空が画面に
バンと打ち出されるので、
観客は油断する。

しかしながら、
建設会社のねっとりとした
嫌がらせは正直
「裁かれるは善人のみ」の10倍
立ちが悪い。

そんな建築会社に孤独に
立ち向かう主人公を演じた
ソニア・ブラガの演技が
本当に上手くて、表情一つで
画面に引き込まれる。
カンヌ国際映画祭で
女優賞を獲れなかったのが
疑問なぐらいである。

カメラワークに注目

本作は、カメラワークが
特徴的である。
無骨なほど雑な感じで
ズームをしていく、
歪なカメラワークが多用されている。

しかし、どれも効果的に使われている。
例えば、建築会社の人と
アクエリアスの管理人が主人公と
話し合うシーンで、急に
管理人の鍵にカメラが寄るシーンがある。

これにより、「もうアクエリアスの住人は
主人公だけ」というのが
語らずとも表現することができる。

ネタバレ厳禁!ラストに衝撃

↑関係ないがこんな感じの衝撃クライマックス

そんな本作は思わぬ形で
グランドフィナーレを迎えるのだが、
これが年間500本以上観る
シネフィル・ブンブンでも
驚く、そしてスカッとするものでした。

実際に劇場では拍手喝采が巻き起こりました。
これはユーロスペースとかで劇場公開
できるのではと思っているので
ここでは結末について伏せますが、
機会があれば是非劇場で観てください(*^_^*)

その他上映作品とレビュー

既に鑑賞済み作品

「牯嶺街少年殺人事件」レビュー
「怒り」レビュー
「フロッキング」レビュー
「シン・ゴジラ」レビュー
「キングコング対ゴジラ」レビュー
「TOO YOUNG TO DIE!」レビュー
「ハッピーアワー」レビュー
「ダゲレオタイプの女」レビュー
「リップヴァンウィンクルの花嫁」レビュー
「バケモノの子」レビュー
「オデッセイ」レビュー
PFFアワード2016 グランプリ作品
「食卓」レビュー

「淵に立つ」レビュー
「誕生のゆくえ」レビュー
「名誉市民」レビュー

TIFFJPで観た映画

「7分間」レビュー
「ノクトラマ」レビュー
「メコン大作戦」レビュー
「ブルーム・オブ・イエスタディ」レビュー
「アクエリアス」レビュー
「シエラネバダ」レビュー
「メッセージ」レビュー
「ミスター・ノー・プロブレム」レビュー
「あなた自身とあなたのこと」レビュー
「痛ましき謎への子守歌」レビュー
「鳥類学者」レビュー
「パリ、ピガール広場」レビュー
「オリ・マキの人生で最も幸せな日」レビュー
「ミュージアム」レビュー
「14の夜」レビュー
「クラッシュ」レビュー

TIFF2015の作品レビュー

2015年グランプリ作「ニーゼ」レビュー
「ケンとカズ」レビュー
「シュナイダーVSバックス」レビュー
「フル・コンタクト」レビュー
「ヴィクトリア」レビュー
「ルクリ」レビュー
「コスモス」レビュー
「ビースト・オブ・ノー・ネーション」レビュー
「ヒトラーの忘れもの」レビュー
「ぼくの桃色の夢」レビュー
「IF ONLY」レビュー
「灼熱」レビュー
「さようなら」レビュー
「FOUJITA」レビュー

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