TIFF2016鑑賞記録5「ミスター・ノー・プロブレム」ロウ・イエ映画の脚本家初監督作品!

ミスター・ノー・プロブレム(2016)
Mr.No Problem(2016)

ミスター・ノー・プロブレム

監督:メイ・フェン(梅峰)
出演:ファン・フェイ、イン・タオetc

評価:70点

第29回東京国際映画祭コンペティション
作品。電影の新人監督育成プロジェクト
で製作された作品。

監督は
「天安門、恋人たち」、
「スプリング・フィーバー」と
ロウ・イエ監督の脚本
でお馴染みメイ・フェンである。

「ミスター・ノー・プロブレム」あらすじ

1943年に書かれた短編小説の映画化。
中国重慶の田舎町。
農家の社長は、自由奔放な
感じで従業員との関係は良好だった。
そんなある日、芸術家の青年が
やってくるのだが…

社会の縮図がそこにあり

カール・テオドール・ドライヤー
思わせる引きで計算し尽くされた
映像の中に1940年代の中国農村部を
閉じ込めた作品。

しかし、本作はただたんに
半世紀前のノスタルジーを
描くのではなく普遍的な
社会の縮図がユーモラスに
ねじ込まれている。

物語前半部では自由奔放な
農家の社長が、謎の青年に
天手古舞いになる様子が
描かれている。

従業員が仕事をさぼって
麻雀をしていても驚かない
ような社長。従業員との
関係は良好だが、経営は
赤字で給料を払うのも厳しい。

物語の後半では、そんな社長が
出張につき経営者が変わる。
彼は旧来の汚職や退廃に満ちた
労働環境を改善すべく
厳しく従業員にあたるが、
従業員から嫌われる。

その不都合な真実を、
シリアスに描いたり、
登場人物に対し見下すようなこともせず
対等に描いているのだ。

実際にブンブンと一緒に観た
社会人の人曰く、
「こういうことはよくあるよ」
と語っており、
いかに普遍的な物語かがわかる。

そう考えると、
一番働いておらず
自由奔放なクズ男にも
愛着が湧いてくる。

日本公開は難しそうだが、
もし機会があれば是非観てみてください。

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