TIFF2016鑑賞記録1「7分間」学生にこそ観て欲しい企業の雇用トラップ!

7分間(2016)
7 Minutes(2016)

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監督:ミケーレ・プラチド
出演:オクタヴィア・ピッコロ、
アンブラ・アンジョリーニ、
クリスティーナ・カポトンディetc

評価:80点

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第29回東京国際映画祭が始まりましたね!
ブンブンは、
本当は水曜日の「ノクトラマ」
からの参戦だったのですが、
急遽、バイトがなくなったので、
初日コンペティション作品「7分間」
観てきました。

学生料金だったので500円でしたよー

「7分間」あらすじ

実話を基にした戯曲の映画化。
フランスの大手繊維工場の
合併が決まっている、イタリアの
老舗繊維工場。

リストラの会合で、フランスの大手会社が
示してきた条件はたった1つ。
休憩時間を15分から8分にすること」
たかが7分長く働くことで、
クビになることなく今まで通り
働けるとのこと。

労働組合の11人は
あっさりとこの条件を飲むかと思われたが…

映画祭でしか観られない作品がある

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↑Q&Aにはオッタヴィア・ピッコロ、
アンブラ・アンジョリーニが登壇しました。

日本には、面白いがネタ的に
ヒットが見込めないが故に
未公開となる作品が山とある。
本作品も、劇場公開するかと訊かれたら
正直どうかなぁと思う。
一見すると地味だし、
シネフィル目線から見ると
お涙頂戴演出が多いからだ。

しかしながら、これがメチャクチャ面白い。
学生は特に観るべき作品でした。
映画祭でしか出会えない
作品があるってところがいいですね~

学生必見、企業の罠に迫るディスカッション劇

本作は、いきなり大手繊維工場との会合から始まる。
労働組合のリーダー立ち会いの下、
とんとん拍子で物事が進み、ある手紙を渡される。

相手企業側からは、
工場を捨てないし、リストラはしないよ。
ただし、15分の休みを8分にしてね。

とシンプルで簡単な要求が渡される。
組合のリーダーは10人の委員会の待つ
会議室に行きこの話をする。

不況で、後がないご時世。
移民も多いので、下手すると
イタリアから追い出され凄惨な故郷へ
強制送還される者もいる。
当然多数決は皆賛成へ転がる。
反対する意味がないからだ。

しかし、リーダーは語る。
「たかが7分だと思っているが、
本当にあなたたちの損失は7分だけなの?」と。

ブンブンも物語、前半までは、
「ここで反対してどうするの?」
反対してクビになるぐらいなら
休憩が7分減っても働くべきだと。

しかし、ディスカッションが進むに連れ、
これが大企業の罠だと分かってくる。
ネタバレになるのでここでは、控える
というよりも読者にも考えて欲しいのだが、
たかだか7分で何ができるだろうか?

お風呂に入るほどしかない時間の
犠牲が人生を、自分だけではなく
何百人もの従業員及び社会全体の
労働者に大きな損失を与えることが
11人の労働組合員のディスカッションで
明らかにされていく。

その緊迫感と、驚き、そして興奮は
ミステリー映画をみているかの
ごとくだ。

近年、日本でもブラックバイトやブラック企業
問題が慢性化している。

本作は是非とも学生にみてもらいたい。
目先の利益を批判的に観ることを
怠るのがいかに危険かがよくわかる。
あと130日ぐらいで社会人の
ブンブンにとっても非常に為になる
作品でした。

ちなみに、本日10/26(水)
18:10よりEXシアター六本木
にて上映しますよ!

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