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【ネタバレ】「レッドタートル ある島の物語」ジブリブランドを語る資格なし

【ネタバレ】「レッドタートル ある島の物語」ジブリブランドを語る資格なし

レッドタートル ある島の物語(2016)
英題:The Red Turtle
仏題:La Tortue rouge

レッドタートル
監督:マイケル・デュドク・
ドゥ・ヴィット

評価:40点

第69回カンヌ国際映画祭で
特別賞を受賞したジブリ最新作
「レッドタートル」を観てきた。

今回のジブリ映画は、
オランダの短編アニメ監督
マイケル・デュドク・
ドゥ・ヴィットがメガホンを
取り、フランスで制作したとのこと。
(なんと長編初監督とのこと)
しかも、全編台詞なしという
非常にトリッキーな作品とのこと。

↑マイケル監督作品
「お坊さんと魚(1994)」

↑マイケル監督作品
「岸辺のふたり(2000)」

マイケル監督は「木を植えた男」
ような素朴なタッチで描く
アニメーター。
果たして、ジブリソウル
を引き継ぐことは出来たのだろうか?

シン・ジブリたる
「レッドタートル」はどんな
作品だろうか?

今回はネタバレ全開で行くので、
未見者はサッと画面を閉じましょう。

「レッドタートル」あらすじ

無人島に流れ着いた男。
彼はなんとか島から脱出
しようとするのだが、
何故か島に戻されてしまう。

そんなある日、
島に謎の女が現れ…

これはバンドデシネだ!

本作は予告編の時点から厭な感じを
していたのだが、全くもってジブリ感ゼロ。
マイケル監督の作家性を優先させてしまった。

確かに、小動物の使い方や
ジブリ映画お馴染みの「転生」とか
「自然の神秘」
は意識されているのだが、
明らかにこれはフランス・オランダ・ベルギー
周辺の演出技法だ。
この地方の漫画バンドデシネのタッチなのだ。

だから、本作にジブリの看板を背負わせるのか
と思うと気持ちが重くなる。
ジブリは後継者がいないからと、
海外に魂を売ってしまったのでは
と思わざる得ない。

ジャパニーズアニメーションの
文化と質感を外国人監督が踏襲した
例として、マイケル・アリアス
「鉄コン筋クリート」
がある以上、
罪深い作品と言える。

「鉄コン筋クリート」は、
松本大洋の絵のタッチや
世界観を完全に再現し、
尚且つアニメとしてのアクション描写が
上手い傑作だ。

映画として観ても…

とはいえ、本作は映画であることには
変わりは無い。バックグラウンドを
隠して評価する必要も当然出てくる。

そう考えて観ても、微妙な作品だ。
確かに絵は上手いし、美しい。
物語も神秘的で哲学的でもある。

しかしながら、その神秘さ哲学さを
表す色のコントラストに難があった。

本作では、「夜」「夢」「絶望」の
シーンを白黒に近い
グレーテイストで描いている。

折角インパクトのあるシーンで
意味ありげに何度も使われる
テイストなのに、意味合いを
いくつも持たせすぎていて、
テーマがぶれてしまっている。

例えば、ターセム・シンの
落下の王国」では、
現実の描写は汚い、退廃に
満ちた色で統一されている
のに対し、空想の描写は
徹底して美にこだわっている。
こうすることで、
「現実逃避」を効果的に
演出することができる。

本作も、グレースタイルを
徹底的に「絶望」として描けば
よいものを、普通の「夜」の
描写でも同じ効果を
使っているので、
テーマ性が散漫になってしまった。

同様に、晴天も
どんな感情を描きたいのか分かりにくい
程描き分けのルール決めが厳格では
ないため、観客を取り残すような
テイストに結果としてなってしまった。

解釈:赤い亀は島の亡霊

本作は、小学生がトトロっぽい
映画だと思って観ると痛い目を見る。
デートで観たら後の会話に詰まるほど
難解だ。

まずなんたって、主人公が殺した
亀が数日後に女性として
転生して、ラストは男の死を
看取って海に帰るという
よくわからない展開が多いからだ。

ブンブンの解釈としては、
あの赤い亀は「島の亡霊」と捉えている。
無人島で、常に孤独だった
島に男がやってくる。
その男と孤独を共有したいが為に
赤い亀や女を出現させたのではという
アイデアだ。

現に、物語前半。
男が何度も竹のいかだで
島を脱出しようとすると
毎回謎の故障で島に戻されてしまう。

亀も主人公を島へと誘導する。

亀から転生した女性は、
男を引き留め島で一緒に
暮らすのだ。

この神秘はまさに島の孤独を
象徴したものであろう。

そして、男が死ぬと
役割を終えたかのように
女は海へと姿を消す。

まさに「それは妖怪ですか?」である。

9/22更新:「レッドタートル」は
「惑星ソラリス」説

あれからずっと、「レッドタートル」
の世界観どっかで観たことあるなー
と思っていたら、今朝思い出しました。

あのタルコフスキーの名作
「惑星ソラリス」
だ。
ポーランドの作家
スタニスワフ・レム
映画化した本作は、
惑星ソラリスに浮かぶ宇宙船を
舞台に、派遣された男が
亡き妻の幻影を追う作品。

主人公の欲望を具現化し、
殺しても殺しても復活
するところは、まさに
「レッドタートル」の
赤い亀が女に変わるシーンと
似ている。

つまり、あの島は
男の「孤独を埋める者」を
出現させることで、
男を島に残そうとした。

ソラリスが宇宙飛行士に
亡き妻を魅せることで、
宇宙船に残らそう
とするのに近い演出だと言えよう。

…ジブリよアニメで
「惑星ソラリス」はやめてくれww

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