“Ç”「神のゆらぎ」グザヴィエドランの演じたエホバの証人とは?

神のゆらぎ(2013)
Milaculum(2013)

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監督:ダニエル・グルー
出演:グザヴィエ・ドラン、
マリリン・キャストンゲetc

評価:75点

カリコレ2016

カリコレ2016で満席続出の作品
「神のゆらぎ」。「Mommy

」や
「わたしはロランス」と
天才的作品を生み出した
新鋭監督グザヴィエ・ドラン
がまだ日本で無名だった時代に、
役者として出演した作品だ。
タイミングが悪く中々チケットが
取れなかったのだが、
昨日ようやく観ることができましたよ!

↑本年度カンヌ国際映画祭グランプリ受賞
It’s Only End of the World」は
2017年2月公開

「神のゆらぎ」あらすじ

飛行機が起きた!
生存者1名しかいない悲惨な事故。
その事故は全く接点のない人々を
密かに結びつけていた。
エホバの証人の看護師と白血病のカレシ。
薬物を密輸する男。
キューバに旅立とうとする者。
ギャンブル依存症とアル中。
人生のどん底にいる者の悲劇を、
時系列をバラして描いていく…

2010年代の「マグノリア」

いや〜驚きましたね!
あのポール・トーマス・アンダーソンの
「マグノリア」
を観た時の衝撃をまた
受けるとは!

薬物を密輸する男や、
キューバに旅立つ男、
空港の職員に
エホバの証人のカップル。
普通、日常生活で会わないのだが、
飛行機事故という運命に導かれる
ように彼らは引き寄せられる。

映画を観るとついつい忘れてしまう、
「偶然」の素晴らしさに
気づかされる。

面と向かって、直接は会話しないのだが、
運命というシステムに沿って動かされる。
そう!本作はまさに神の視点を重厚に
楽しませてくれる作品だ。
一見、飛行機事故から遠ざかろうと
している場面をもピタゴラスイッチの
ごとく結びつく。

何故、ブンブンがこうも口を
濁して語っているか?
それは是非とも悲劇の奇跡を
じっくり味わってほしいからだ。
ネタの一つ一つを味わってほしいからだ。

エホバの証人について

ただ一点、日本人には
初見で分かりにくい
描写があったので解説する。
それはグザヴィエ・ドラン
扮するエホバの証人のシーンだ!

エホバの証人はキリスト教系の宗教組織で、
宗教の観点から輸血はタブーとなっている。
実際に日本でも1985年に、輸血拒否で赤ちゃんが
亡くなった大ちゃん事件
が起きましたね。グザヴィエ・
ドランが演じる役は、
白血病に陥ったエホバの証人という役。
同じくエホバの証人である彼女と
血液型が一緒なので、輸血すれば
助かるのだが、互いに宗教が
邪魔をし苦悩する。
もし輸血を行えば街から
出て行かなくてはならなくなり、
自分たちが信じていた
宗教も捨てなくてはならないからだ。

グザヴィエ・ドランはただ単に、
病人を熱演するのではなく
宗教と現実との狭間で
苦しむ葛藤もしっかり
演技に盛り込んでおり素晴らしかった!

こんな難しいジレンマ故に、
終盤で魅せるカノジョの
決断がなけてくるのだ!

シネマカリテでアンコール上映決まったので、
是非神のゆらぎを堪能してみてください。
(チケットはすぐ売り切れるので要予約)

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