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“Ç”【デンマーク映画研究】「ヘンリー・ミラーの性生活/クリシーの静かな日々」

“Ç”【デンマーク映画研究】「ヘンリー・ミラーの性生活/クリシーの静かな日々」

ヘンリー・ミラーの性生活/
クリシーの静かな日々(1970)
Quiet Days in Clichy(1970)

クリシーの静かな日々
監督:イェンス・イェン・トアセン
出演:ルイス・ホワイト、ポール・ヴァルジャンetc

評価:55点

デンマーク映画を研究していると、
日本では1960年代~
1970年代に大量生産された
デンマークのポルノ映画について
無視されていることが分かる。

デンマーク映画協会のサイトには
しっかりとポルノ映画全盛期のことが
書いてあり、日本の「北欧映画
完全ガイド(新宿書房)」
での
記述と組み合わせる
ことで謎が解ける。
(参考資料:デンマーク映画協会DFIによるポルノ映画の記述)

第二次世界大戦後、
デンマークは大衆娯楽映画を
生産しようとするが、
テレビの台頭により
映画産業は斜陽の方向へ
まっしぐらとなる。

デンマーク政府は、
その事態に対処すべく、
1960年、映画検閲を廃止。
ポルノ映画の製作上映を
解禁した。

それと同時に、お茶の間では
楽しめない「エロス」という
娯楽を求め市民は映画館へ
足を運ぶようになった
とのこと。

そして、スウェーデンと並び、
デンマークは国際的にも名が知れた
ポルノ映画大国となり、
日本でも1970年代には
18本のデンマーク製ポルノ映画が
輸入され劇場公開されたとのこと。

後に「バベットの晩餐会」
アカデミー賞外国語映画賞を
獲るガブリエル・アクセルも
この時代、「アムール」や
「秘技ポルノ性史」

撮っている。

さて今回、入手困難なデンマーク
ポルノ映画群の中から
1作品Amazonで購入することが
できました。
その名も
「ヘンリー・ミラーの性生活/
クリシーの静かな日々(1970)」です。

早速観察してみましょう!

「ヘンリー・ミラーの性生活/
クリシーの静かな日々(1970)」あらすじ

性文学の巨匠ヘンリー・ミラーの
代表作「クリシーの静かな日々」の映画化。
フランスのクリシー(パリから少し離れたところ)
にやってきた小説家のジョーは
写真家のカールは街で見つけた美女たちを
家にお持ち帰りし3Pをする毎日を送っていた。

文学的要素は…皆無w

原作を読んだことがないので、
なんとも言えないのだが、
文芸映画らしさは皆無です。
一応、プルーストを引き合いに
失われた時を求めて」の
性と退廃に満ちた戦時中
を扱った章「ソドムとゴモラ」
感をアピールしているのだが、
深みはありません。
パゾリーニの「ソドムの市」の
ようなえぐさもなくソフトだ。

冒頭から激しい喘ぎ声と、
1970年代らしいサイケデリックで
ロック、ジャズなサウンドが
立ちこめる。
THE カウンターカルチャーだな~
と思わせられる。
と同時に、やはりハードコアで
グロイというよりも
「おしゃれ」とか「格好いい」
エロスがそこにはあった。

特に、フランスのイメージが
強いポップなテロップや
アートワークの出し方には感心!
デンマークの芸術性の爆発が
伺える。

同性愛、それとも…

本作を観ていて疑問だったのは、
果たして小説家ジョーと
写真家カールは女性に愛を
持っているのかが疑問となってくる。

確かに、常に女を欲している
二人だが、ジョーとカールは
一緒に仲良くいつも行動している。
そして、3Pをしたり
お風呂に一緒に入ったりし、
愛し合っているようにしか
見えなかったりする。

なんだか、二人は同性愛を
隠すために女とエッチを
しまくっているように
しか見えなくなった。

これは是非とも原作を読んで
考察していきたい問題だ。

結局、まだまだ1970年代の
デンマークエロ映画時代は
暗黒のベールで包まれたままだ。
ほとんどが日本ではDVDにも
VHSにもなっていない。

英語版でもなかなか発見できない
事態である。最後の頼みでもある
Youtubeも良い動画を提供してくれない。
これは厳しい闘いだ。
もし、デンマークのエロ映画の
鑑賞方法を知っている方が
いたら是非教えてくださいw

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