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“Ç”【ネタバレ】原作比較「クリーピー 偽りの隣人」香川照之がマジで怖い!しかし…

“Ç”【ネタバレ】原作比較「クリーピー 偽りの隣人」香川照之がマジで怖い!しかし…

クリーピー 偽りの隣人(2016)
CREEPY(2016)

クリーピー
監督:黒沢清
出演:西島秀俊、竹内結子、香川照之etc

評価:55点

我が法政大学国際文化学部
教授・前川裕

日本ミステリー文学大賞新人賞
を受賞した小説
「クリーピー」が
黒沢清の手で映画化!

ホントウは、法政大学で
行われた試写会レポートを
お届けしたかったのですが、
教育実習と重なって
いけなかったので通常
紹介です。

今回は原作と比較してみます。

「クリーピー」あらすじ

犯罪心理学のスペシャリスト
として同僚から熱い支持を
得ている警察官・高倉。
しかし、あるサイコパスの
前で失態を冒したことから、
警察官を辞め大学教授を
していた。

そんなある日、
興味本位で
未解決事件を追っていると
自分の家の隣に住む
変人と関係があることがわかり…

黒沢清の原点復活!

最近の黒沢清映画、
ブンブンは非常に苦手だ。
「リアル」「岸辺の旅」
映画評論家の中では
絶賛されているようだが、
陰影の付け方や時間の省略
描写が下手だと、
上手くキマッテいないと思う。
「CURE」「ドッペルゲンガー」
「アカルイミライ」
の時代を
知っているだけに受け入れ難いのだが、
本作は見事な原点回帰をやってのけた。

冒頭から、ただならない雰囲気を
醸し出す。そして、顔芸・
香川照之の怪演に強烈な陰影を
つけることで、ギャグになりかねない
香川フェイスがメチャクチャ怖く
感じる。

油断していたが、これは
正真正銘のホラー。
「残穢」に継ぐ今年
傑作の松竹ホラーでした。

しかし、不満が残る

とはいえ、今回の黒沢清映画
も残念な作品でした。

まず、本作の演技を香川照之
任せにしてしまっている点だ。
というのも決定的に西島秀俊の
演技が微妙なのだ。
元々、原作の設定は大学教授で、
明らかに前川裕とシンクロ
している。そこを大幅改変し、
元警察官だから西島さんなんだろう。

しかし、西島さんの演技からは
役が見えてこない。
何故、未解決事件にのめり込んだのか?
トラウマについて考えているのかが
見えてこない。
ましてや、ラストに関しては
ラストこそ「演技」ってことを
観客に見せつけなきゃいけないのに、
明らかにアウトな演技をしてしまっている。

また、大学シーンのエキストラが
魂を失ったロボットのように
動いているのも気になる。
戦慄の世界観を表現する
手法としてあえてエキストラに
下手な演技をさせているとしても、
あまりに目立ちすぎていて
キャラクターに対するフォーカスが
ずれてしまっているこれはアカン。
(ちなみに前半、大学で西島秀俊が
前の席に座る同僚に話しかける
シーンで横切る男性の方は、
原作者の前川裕です。)

問題なのは演技だけではない。
汚い屋内が出てきて、じめじめ
している演出なので韓国映画を
彷彿する人も多いでしょう。
しかし、血糊も血のCGエフェクトも
ほとんど使われていないのだ。
使うべきシーンに対しても
一切血を魅せないので、
映画好きは怒り出すでしょう!
「ヒメアノ~ル」のように頑張って欲しかった。

そしてラストは脚本である。
本作は大幅に原作を改編しているので
改変箇所をみてみましょう。
こっから先、ネタバレ注意!

「クリーピー」原作比較

クリーピー小説
↑実は原作者の前川裕から
サインを頂いたことがあります。

あまりに改編箇所が多いので
一部だけ紹介します。

1.主人公設定

犯罪心理学を教える大学教授で
時折メディアに出るという設定から、
元警察官の犯罪心理学を教える大学教授
へと変わっている。

このことにより、本作の目的も
ミステリーから警察官時代のトラウマ
を乗り越える話へとシフトしている。
しかし、肝心なシーンで同じミスを
冒していて脚本としてアウト。
結局、「誰も信用するな」ってことやん。
心理学によるマインドコントロールで
隣人を倒すんじゃないんかい!
と誰もが思う瞬間である。

2.西野の設定

隣人・西野。
原作では
金縁眼鏡で綺麗に切りそろえた
口ひげが特徴で、愛想の良い人物

と冒頭で説明されており、
何も予備知識を入れずに読んだら、
まさか凶悪犯だとは思わない
設定になっている。

一方、映画版ではいきなり
香川照之がヤバイ臭を
放ち、THE犯人をアピールしている。
そう、映画版は恐怖のプロセスが重要
なのだ。故に、原作では9ページ目に
書かれていた「オリエント協会理事」
プロセスの一部として焦らしながら
使われています。
この脚色は結構お気に入り。

3.ラスト

一番憤りを隠せないのが、
ラスト。原作の謎解き要素を
重要視せずにプロセス路線で
描いている改悪に近い映画版なのだが、
ラストが酷いので非常にまずい
事態となっている。

映画版では警察官のトラウマ克服が
テーマになっている。上記のように
終盤で酷い演出があり、
そこで止めといてバッド・エンドに
すれば傷口が浅く済んだものも、
さらにストーリーを続けようと
するから下手に間延びをしている。
車での移動シーンを
「CURE」のセルフオマージュで
やろうとしているが、そもそも
不必要なシーンなので意味をなしていない。
さらに、既視感ありありな陳腐で、
西野への逆転勝利オチを
血糊なしで行うので
ホントウにやめて
いただきたいものである。

まとめ

って訳で酷評になったのだが、
軽いホラー映画として観ると
十分楽しめるし、
何よりも香川照之の
「鬼が来た!」さながらの怪演に
大満足できる。

なので、ブンブン実は嫌いではない
作品です。

だが
彼の新作で初海外進出
フランス語で描く「ダゲレオタイプの女」を
観る勇気が出なくなりましたw
(10月15日新宿シネマカリテにて公開)

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