“Ç”「64-ロクヨン-後編」構造的地獄から人的地獄へ…佐藤浩市は報われるのか?

64-ロクヨン-後編

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監督:瀬々敬久
出演:佐藤浩市、榮倉奈々、綾野剛etc

「64-ロクヨン-前編」の感想はコチラ

評価:55点

小説、ドラマとステップを
経て、ついに映画化まで
こぎ着けた横山秀夫の
「64」。

ついに後編も公開されて
グランドフィナーレ!
地獄過ぎる前編であったが、
果たして佐藤浩市は救われるのか…?

「64-ロクヨン-後編」あらすじ

「64」事件と非常に似た模倣犯が突如
出現。県警が再び動き始める。
しかし、東京から来た記者クラブ
という強敵が出現し…

構造から人へ…

前編では、広報と記者クラブといった
構造的対立を濃密に描いていた。
知恵の輪のように、
あっちが立てばそっちが立たずの
厳しいジレンマの中で自分の
正義を貫き通す広報官の
ソウルが描かれていた。

後編では、個人にフォーカス
当てている。
東京から記者クラブの人が
来たことで県警が窮地に陥る。
東京からの刺客は完全に、
県警を見下しており
馬鹿にする。

前編では鋭いナイフの
ような発言で、広報を
苛めた綾野剛も
黙りである。

そう、これは県警の
さりげない呉越同舟感が
描かれているのだ。

県警の記者クラブも、
いつも通り広報を
苛めるが、佐藤浩市を
信頼している為か、
しっかり待ってくれる。

逆風の中の微かな
優しさが心地よかったりする。

しかし、本作は構造的対立
から人対人の対立へと
シフトさせたことで、
スケールダウンした
感じが否めない。

犯人も意外性がないという
よりも単に味気ない
感じだし、
伏線も「あーあれ!」と
衝撃的な使い方が
されていない。

前編であれだけ期待させておいて
これだと、結構がっかりである。
無論、役者の演技は上手い。
佐藤浩市の、這いつくばって
真相を追う演技はもちろん。
綾野剛の、東京に対する
コンプレックスを表現する
繊細な顔捌き。
榮倉奈々の、動くべきか
否かを悩む感じ。
すべてにおいて一流だと
感じた。

こんだけ本気で作っているのなら、
前編では「人対人」の対立、
後編で「組織対組織」の
対立にフォーカスを当てた
方が良かったのではと感じた。

P.S.
監督の瀬々敬久って
4時間超えの
「ヘヴンズ ストーリー」
を撮った人なんですね~
出世したなー

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