“Ç”是枝最新作「海よりもまだ深く」許しが強すぎるんじゃない?

海よりもまだ深く(2016)
AFTER THE STORM

監督:是枝裕和
出演:阿部寛、樹木希林、真木よう子etc

評価:40点

是枝監督最新作。
監督が生まれ育った団地で
撮影されたことでも
話題となった本作。

映画好きの間で大好評だが
果たして…

「海よりもまだ深く」あらすじ

妻と別れた、作家崩れの夫は
ギャンブルに溺れながらも、
息子に会うために
自分なりの努力をしていた。

そんな彼が
息子に会うある台風の日を描いたドラマ。

フード映画

うーん、
「海街diary」

で味を占めた是枝
監督は今回も、美味しそうな料理を
並べているが、どうもカンヌに
媚びている印象を受けてしまう。

河瀬直美のように、
カンヌで賞を獲りたいが為の
雰囲気映画にしか見えず、
ブンブンは苦手でした。

まず、第一に
本作は阿部寛扮するクズ男が
最後まで成長しないのだ。

真木よう子扮する元妻が、
養育費払ってよと
言っても、
宝くじとか買ってしまう。
おばあちゃん家からあるモノ
を盗んで売る。30万くらい
で売れたはずなのに、
一切養育費を払わない。

なのに、台風での特別な
ひとときのお陰か、
元妻は彼を許してしまう。

脚本として必要な、
成長、あるいは天罰
たるものが一切ないのだ。

百歩譲って、
小津安二郎のような
日常のあるシーンを
切り抜いたものだと
しても、「台風」が
活かされていない。

台風って荒々しい雨。
つまり喧嘩の一つや
二つ起こっても
いいのだが、ただ単に
仲直りのツールで
終わってしまっている。

小津安二郎の二番煎じ
ともとれる。

しかし団地シーンがよい

またしてもブンブンが
苦手な是枝映画だったのだが、
今回、阿部寛を主演に
抜擢したのがすばらしいかった。

阿部寛の身長は189センチ。
古き日本を彷彿させる、
「団地」には似つかわしく
ないぐらいデカい!

デカいが故の窮屈さ、
台風前夜のじめじめと
した感じと合わさって、
妙な不協和音が
協調されていて
これが良かった。

また、安定の阿部寛
映画なので、彼の
クズ役は天下一品。
プライドが故に、
嘘や言い訳をする演技が
特に上手い。

一瞬ためらいながらも、
明るく言う。
微妙に粘着質な話し方、
これが等身大の「クズ男」
を投影していて面白い。

その点は十分評価に
値するだろう。

だが、ブンブンは残念ながら
苦手な作品でした。

「団地」映画ブーム再来!

数年前、「中学生円山」


「クロユリ団地」など団地映画が
ブームとなったが、今年も
団地映画が熱いっぽい。

6/4より新宿シネマカリテより
公開の阪本順治最新作
「団地」も文字通り団地を
舞台にしている。

なんでだろうな~

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