“Ç”「オオカミ少女と黒王子」二階堂ふみ少女漫画ものに挑戦!

オオカミ少女と黒王子(2016)

監督:廣木隆一
出演:二階堂ふみ、山﨑賢人etc

評価:85点

「ストロボ・エッジ」の廣木隆一監督の新たな挑戦。魔性の女、病んだ女子役が上手い、絶対少女漫画のヒロインにふさわしくないだろう二階堂ふみをセレクトしドSものに挑んだようだ。

ドS黒王子役に、「L♥DK」「ヒロイン失格」

「orange」

とすっかり少女漫画映画専門役者となった山﨑賢人が演じる。果たして…

「オオカミ少女と黒王子」あらすじ

スクールカースト上位でいたいが為に彼氏がいると嘘をついている女子高生エリカ。友達に嘘がバレそうになるも。イケメンの男子に助けられる。しかし、彼はドSだった!かくしてエリカはイケメン男子恭也の奴隷となったのだ…

監督、カメラワークが!

本作は、「ストロボ・エッジ」以上に廣木隆一のやりたい放題映画だ。もともとピンク映画出身監督だったことを思い出させるフェティッシュなカメラワークで二階堂ふみに迫ること迫る。女子トイレに入るシーンなんか、明らかに盗撮犯目線なんですけど。そして、異常なまでに食べ物や役者のファッションにもこだわっている。

なるほど、これはカップルで観ても男子が困らないよう、最強のデートムービーとして研磨させているんだなと感心させられる。

抜群の脚本捌き

その感心は脚本にまで及ぶ。原作は未読なのだが、明らかに「少女漫画とは何か?」「フラグの立て方」などとことん突き詰めないと出てこない描写がある。本作はジャンル映画故、多少ばかり登場人物描写を甘く描く必要がある。むしろ、シチュエーションを増やし、ヒロインと男が結ばれるのを阻止しないといけない。

故に、ちょっと荒削りながらも、女たらしのライバルを出したり、二人が完全破局寸前になったら、全然違うイケメンを登場させてヒロインを喰わせようとする。そして、観客はどうなるの?どうなるの?とハラハラしながら三角、ないし四角関係を見守る。やはり上手い展開運びだなと思う。さらに、本作が明らかに他の少女漫画映画と比べて傑出
しているのが、ヒロインの友人(通称モブキャラ)の描き方だ。

実はじっくり凝視すると判るのだが、彼女たちは全員嘘をついています。全員彼氏がいないのに、「カレシ持ち」と嘘をついています。考えてみてください。全員カレシ持ちなのに、一度もそのカレシは登場しない。さらに、研修旅行での自由行動で、「カレシと行動したいなー」と仲間の一人がいうと、「アンタのかれし4組じゃね?」と切り返し、たじろいだり、ナンパしようぜと言ってくる。つまりは、二階堂ふみ扮するエリカ以外架空のカレシとつきあっており、「ヘイトフル・エイト」

さながら互いに牽制しあっているのだ!芸が細かい!

最強ヒロイン二階堂ふみ

二階堂ふみのストイックな演技に脱帽させられた。

「三回、回ってワン」と言うシーンや、デートのアポを取れて喜ぶシーンの動き方がコミカルで、THE コメディエンヌそのものだ。そして、今回の役柄はクズということで、時折心の内面の不細工な側面が露見したりする。この魅せ方、ファッションの着こなし方、萌えます燃えます!

二階堂ふみも少女漫画もののヒロインを演じられることを証明しました。

パンフレット買ってみた

オオカミ少女と黒王子2

珍しく、こんな作品のパンフレットを買ってみた。
720円にしては内容が濃くてびっくり!

「俺を本気で落としたかったら、俺ん中こじ開けるつもりで、正面から入って来い。」「けど、こいつは”俺の”だから。勝手に傷付けられると腹立つんだよね。」「頭悪そうなのは難点だけど、いい暇つぶしにはなりそうだな。」

などといったドS名言集から江ノ島デートコース等のロケ地をまとめたページ(映画好きにはたまらない資料)。恋愛チャートなど盛りだくさんでした。

ツッコミどころも多く、映画鑑賞後のプランも提示してくれるので、デートにぴったりの作品でしたw
ブロトピ:めっちゃドキドキする恋愛映画

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