“Ç”【カンヌ特集】「ティエリー・トグルドーの憂鬱(la loi du marché)」マジ鬱になるぞ(汗

ティエリー・トグルドーの憂鬱(2015)
la loi du marché(2015)

※日本公開8/27(土)
ティエリートグルドーの憂鬱

監督:ステファヌ・ブリゼ
出演:ヴァンサン・ランドン

評価:80点

先日、親戚から頂いたDVD
「la loi du marché」。
昨年のカンヌ国際映画祭で
主演のヴァンサン・ランドンが
男優賞
を獲った作品なのだが、
これが想像以上の鬱映画で
衝撃を受けたぞ~

しかも、ステファヌ・ブリゼ
の前作「母の身終い」
日本でも話題になったのも
受けて、無事日本公開
8/27(土)に決まりました。
恐らくまた、シネスイッチ銀座かな?

「ティエリー・トグルドーの憂鬱」あらすじ

機械工で働くおじさんは突然会社を追い出される。
彼には養うべき妻と、
障害を抱えた息子がいる。

真面目なおじさんは、
積極的にハローワークへ行き、
職業を斡旋してもらおうとするが
なかなか職にありつけない。

面接も直接会ってくれず、
スカイプで邪険に扱われる。

そして何とか、
スーパーの警備の仕事にありつくが…

フランスの厳しい職業事情

本作は、主演のヴァンサン・ランドンを
除き皆素人の役者が使われている。
そして、「ディーパンの闘い

」や
サンドラの週末

」等、
最近の下流人生をを扱った作品の
中で最もリアルで救いのない
演出がされている。

まじで、人生のどん底をのぞき見、
それも「サウルの息子

」のように
違う世界の話って認識が出来ないほどに
「身近」を意識させられる。

特にヨーロッパ圏に留学等で
滞在したことがある人は
直視しがたい画が延々と
繰り広げられる。

特にスーパーのシーンがえぐい!
日本のスーパーとは違い、
フランスのスーパーは基本的に
民度が低い。
「えっ日本も低くないか?」と
思うかもしれないが、レベルが違う。
万引きの頻発率がめちゃくちゃ高く、
大抵のスーパーには「リュックサック
預かり所」
があり、
リュックやトランクで来た人は
呼び止められるのだ。

それでも、万引きは起きると
ブンブン、留学中に
ホストマザーから聞いたことがある。
商品へのいたずらもよく見かけた。

閑話休題。
本作では、ようやく仕事を得た
おじさんの前に次々と
万引き犯が現れる。
「IDを見せろ」と言っても、
「男に脅されて万引きしたから、
俺は無実だ」とわめく人、
「俺は盗んじゃいねぇ」と
しらばっくれる人が多発。
ストレスがどんどん溜まって
いきます。
しかも、同僚まで万引きを
し始める事態。

過酷な求職時代を経て得た
仕事がコレか~と落胆するものの、
家族の為と頑張る。
家では奥さんと社交ダンスを
踊ったり、息子の介護をしたりと
家族サービスを充実させて、
なんとかしようとする。

それでも最後まで救われません。
本当に哀しいm(_ _)m
しかし、これが今のフランスなのだ。
フランス留学中ホストマザーから、
フランスでは失業者が職業を得るのは
難しい、日本の方がまだ
転職環境は良いのでは?と言われた。
確かに、一見真面目でまともな人に
見えて失業中で一生懸命仕事を
探しているフランス人、何名かと
出会っている為、本当に怖いなと感じる。
「サンドラの週末」のような刹那の
希望もない凄惨な作品だが、
日本だって他人事ではない内容。
特に学生の方に観てほしい作品でした。

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