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“Ç”【解説】「グランドフィナーレ」、フランチェスコ・ロージに捧げてる!?

“Ç”【解説】「グランドフィナーレ」、フランチェスコ・ロージに捧げてる!?

グランドフィナーレ(2015)
YOUTH(2015)

グランドフィナーレ
監督:パオロ・ソレンティーノ
出演:マイケル・ケイン、
ハーヴェイ・カイテルetc

評価:40点

「追憶のローマ」でブンブンを
魅了したパオロ・ソレンティーノ
の最新作「グランドフィナーレ」
が公開された。
カンヌのコンペリストが出てから
1年近く楽しみにしていた
本作。果たして…

「グランドフィナーレ」あらすじ

スイスの高級ホテル。
多くの文化人が人生の癒やしを求めやってくる。
「シンプル・ソング」で名を馳せた
指揮者のフレッドは愛する妻を失い、
20年間無気力に陥った彼の前に
エリザベス女王から再び
指揮者をやってほしいという
お願いをされ…

映像はいいのだが…

本作は、出来るだけ映画館の真ん中で
前の方の席。
新宿バルト9ならC-14あたりで観ることを
オススメする。
なんたって、2時間大音量
大画面で、シャネルやディオールの
CM
のような「美」に触れられるのだ。
オペラに近い高級な人生賛歌を
楽しむために席は重要である。

しかし、本作には「追憶のローマ」
にあったような映像とストーリーの
バランスはない。

映像と音楽はすこぶる良いのだが、
「過去に囚われた人生」という
深遠なるテーマを扱っている
にも関わらず、焦点がぶれている。

原因は登場人物の設定にある。
本作は、主に老いた作曲家と
老いた映画監督の対話が
ベースである。
指揮者はとにかくデカダンスで
疲れ切った生活をしているのに
対し、映画監督は映画作りに
熱を注ぐ。
これで十分な人生の対比表現は
出来るはずである。

「追憶のローマ」のように
「失われた時を求めて」ベースの
回想を随時挿入すれば、
内容に深みが出るはずだ。

しかし、残念なことに
指揮者と映画監督の息子・娘の
ドロドロな人間模様を描いて
しまったために、水晶のような
輝きを持っていた本作に
曇りがでてくる。

確かに指揮者の娘が
親友である映画監督の
息子に不倫で破局
寸前にさせられるって
展開は面白いのだが、
「『シンプル・ソング』
を指揮できない理由」

には繋がっておらず
無駄話になってしまっている。

本当に残念な作品だ。
さて、次の章からは
観て分からなかった方のために
解説をする。

冒頭の歌の意味

冒頭、女性アーティストが
YOU GOT THE LOVE」を
歌うのだが、その歌詞の
内容が案の定和訳されてない。
しかし、歌詞を読むと、
愛に執着する男を
女性視点で見たことを
歌っている。

今は亡き妻に囚われた
男の話ですよと冒頭で
しっかり宣言しているのだ。

あれっ?妻生きてね??

これを聞くと、
「最後のヴェネチアの
シーンで妻登場するじゃん」

疑問を抱く者もいるであろう。

確かに判断が分かれる場所だ。
しかし、ブンブンはあそこに
映る妻は死者だと感じている。

理由はいくつかある。
まず、妻の顔が骸骨のように
なっている点だ。
ヴェネチアをあそこまで美しく
撮しておきながら、
妻だけ死人同然に撮している
ということは、指揮者の
幻想と捉えることができる。

次に、指揮者が引退したのは
20年前だ。ラストまで
妻が一切映らないことから、
妻が植物人間に
なっているという線はないだろう。
つまり死者と捉えることができる。

最後に、お墓のシーン。
わざわざ二つの墓を
撮す必要があったのか?
曖昧に覚えているので確実とは
言いがたいが、バリンジャー
という名前があったから
妻は死者と断定できる。

フランチェスコ・ロージとは?

本作はてっきり、
フェリーニに愛を捧げた映画と
思いきや、ラストに
「フランチェスコ・ロージに捧げる」
書いてある。

フランチェスコ・ロージとは、
ベルリン、カンヌ、ヴェネチア
3大映画祭を制した映画監督で
昨年亡くなった人物である。

日本ではほとんど彼の作品を
観ることができない。
ブンブンも全く彼の作品を
観たことがないのだが、
予告編を観る限り、
「遙かなる帰郷」や
「予告された殺人の記録」、
「シシリーの黒い霧」

あたりの演出を参考にしているのでは
と読み取ることができる。
パルム・ドールを獲った
「黒い砂漠」ですら現在
DVDを入手できない状況な為、
日本人は予習に厳しいのだが、
知っておくと楽しめるぞ(多分)。

まあ、内容的にはあれだが、
映像と音楽は素敵なので
是非劇場で楽しむことをオススメします。

↑アカデミー賞歌曲賞にノミネートされた
シンプル・ソング#3

関連項目

「追憶のローマ」感想
「きっとここが帰る場所」感想

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