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“Ç”【ネタバレ&解説】「リップヴァンウィンクルの花嫁」岩井俊二からあれが見られるとは!

“Ç”【ネタバレ&解説】「リップヴァンウィンクルの花嫁」岩井俊二からあれが見られるとは!

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016)

リップヴァンウィンクルの花嫁
監督:岩井俊二
出演:黒木華、綾野剛、Cocco etc

評価:80点

最近落ち目な気がする
岩井俊二が3時間級の作品を作った!
これはもしや…と思って
観たらその「もしや」でした!

映画人でよかったと思える程、
映画好きには溜まらない。
そして、何も頭に入れずに
観てほしい作品なので、
未見者はすぐさま
このページから離れ、
映画館へ行ってください。

また、本作はクズ野郎
しか出てこないので、
クズ野郎耐性がない人
には断固としてオススメ出来ません。

「リップヴァンウィンクルの花嫁」あらすじ

皆川七海はネットで知り合った男性と
付き合い結婚することになった。
しかし、親族が極端に少なかった為、
結婚式に「何でも屋」を使って
代理出席を依頼したことから
どん底への旅が始まった…

今は亡き園子温の面影を観られる!

本作で、まず驚いたこと!
それは、あのロマンチスト岩井俊二から
園子温が見えたことだ。
本作は冒頭から、
岩井俊二お得意の白飛び強め
ドキュメンタリータッチ、
クラシック音楽全開である。
しかも結婚という「幸せ」を
撮している。

しかし、冒頭から、
今にも崩れ落ちそうな
夫婦を同時に描いている。

結婚したのに「偽り」の自分がいる。

そう、園子温が「冷たい熱帯魚」
以降忘れてしまった作家性が
強烈に本作からにじみ出ていたのだ!

それも、「紀子の食卓」から10年以上
が経ち強まった、誰しもがSNSで
情報を発信できる、
何者にもなれ何者にもなれない
現代葛藤をキチンと表現している。

だから、狂気と岩井俊二風アンニュイ
テイストを同時に味わえるゴージャス感が
本作にあるのだ!

「サンセット大通り」まで登場

そして後半、Cocco扮する魔性の女優・
里中真白に出会ってから、
急にストーリーの軸が
「サンセット大通り」へと変貌する。
それが分かったとき、
「リップヴァンウィンクルの花嫁」
が指し示す悲劇もうっすら見えてくる
細かい演出にもブンブン熱くなりました!

ちなみに「リップヴァンウィンクル」とは
アメリカ版浦島太郎とも言われる
ワシントン・アーヴィングの作品の名前で、
主人公リップヴァンウィンクルが
深い森で老人と出会い一夜を共に
過ごしたら20年経っていましたという
話である。

まさに過去に囚われた人という
意味で完全に「サンセット大通り」の
焼き直しを行っています。
それでもってキチンとひねりを
いれているから素晴らしい!

惜しい!

しかし、残念だった点もある。
結局、人生をさまよった皆川七海
は詐欺師まがいの「何でも屋」安室
に騙されたまま一切成長しない
という点が大きい。

人によっては怒りゲージしか溜まらない
ような、ウジウジして尚且つバカ女
皆川七海がぼったくり同然価格で
危ないサービスを提供する安室の
せいで人生をめちゃくちゃにされたのに
一回も彼を疑うことなく。
ラストも「結局いろいろあったけれど、
彼はいい人だった」的な終わりに
なっているところが非常に残念。

「ピノキオ」かよ!
ここは、せめて安室って詐欺師だよ
と伝える人が登場する場面や
そもそも安室の悪名に気づき
全力で離れようとする描写は必要だ。

また、案だけ皆川七海や
いろんな女の人生を
めちゃくちゃにしてきた
狡猾な男・安室が
終盤、レ・ミゼラブルの
ジャン・バルジャンの
ごとく改心するきっかけが
弱すぎる。

皆川七海に対して、
すまなかったと改心するなら
分かるが、里中真白の死を
家族に伝えに行って泣く
っていうのは頭おかしい。
しかも見せ方的に
嘘泣きではないのがまた
矛盾をはらんでいる。

「百年の孤独」について

ブンブンは、結構映画に
登場する小道具に注目
するのだが、
本作で「おっ」と思ったところが、
結婚相手と別れる場面にある。
七海が結婚相手と最後の
電話をするシーンで
ガブリエル・ガルシア=マルケス
の「百年の孤独」
という小説が
置かれている。

この小説は、殺人による
罪というレッテルから逃れる
為に新天地で開拓するが
やがて滅亡する叙事詩である。

まさに、本作がSNSが
きっかけで始まってしまった
忌まわしき現実から逃れて
新天地を切り開こうとし、
その先で悲劇が待っていますよー
と言わんばかりの小道具でした。

最近低迷期だとささやかれた岩井俊二が
3時間近くもかけて
語る一人のクズ女の人生は
映画ファンの心をがっつり掴む。
就活中のブンブンですが
劇場の大音響で観られてよかった!
まるでオペラを観ているような
ゴージャスな気分になれました(*^_^*)

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