“Ç”「異人たちとの夏」!元々は「氷の微笑」路線の映画だったw

異人たちとの夏(1988)

異人たちとの夏

監督:大林宣彦
出演:風間杜夫、
片岡鶴太郎、秋吉久美子etc

評価:90点

日本映画監督協会の上映会で、
なんとブンブンが尊敬する
大林監督のトークショー付き
上映に潜入することに成功しました。
なんと、片岡鶴太郎さんの
真後ろで観ることができ
ドキドキでした!

「異人たちとの夏」あらすじ

山田太一の同名小説の映画化。
妻と別れた人気シナリオライターが
部屋でお酒を呑んでいると、
謎の女がシャンパンを片手に現れる。
その日を境に彼の周りで怪奇現象が
起こる。
気晴らしに浅草の寄席に行くと、
なんと亡くなったはずの父親がいるではないか!
しかも手招きする…誘われるまま
たどり着いた先に亡くなったはずの母親まで
おり…

元々、「氷の微笑」系ホラーだった!

ブンブンが高校生時代に観たとき、
料理をノスタルジックに描きまくっていて
泣けた一方、最後の最後の予想外な
結末に阿鼻叫喚した思い出があります。
大林宣彦映画は「HOUSE」を始め
長岡花火物語

」と
毎回アヴァンギャルドなテイストなので、
いつものことかなと思っていたら、
監督トークショーで制作当時の
状況を教えてくれました。

制作当時、「氷の微笑」という魔性の女系
サスペンスが大ヒットしており、
松竹的にはホラーを作る予定で
大林監督に話を振ったそうです。
しかし東宝、松竹、東映と
会社に囚われずに映画を作る
彼は自由人!
山田太一の小説を読み解き、
ラストだけホラーにする形で、
ノスタルジック全面推し映画に
したとのこと。

そして、当時ボクシングの重要な試合を
控えていた片岡鶴太郎に
「映画は顔を撮るんじゃない。人間を撮るんだよ」
と猛説得し亡くなった父親役をやらせたり、
魔性の女役を狙っていた秋吉久美子に
亡くなった母親をやらせたり、
はたまた東宝の特撮監督、本多猪四郎
うなぎ屋のオヤジに起用したりと
大林監督の感性に任せるまま制作されたとのこと。

そして、それが独特のハーモニーを生み出し、
親孝行したくなる、墓参りをしたくなる
映画になっているのだ!

特にブンブンが泣けたところが、
すき焼きのシーンだ!
亡くなった父親・母親に
すき焼きをごちそうしようとした
主人公が今半別館に行くシーン。

息子は両親に良いところを
魅せようとするのだが、
お互いに感情が高まって
思うように気持ちが伝えられない。
その時のすき焼きが本当に
美味しそうに見えるから号泣である。

大林監督を生で見られたのもあり、
良い上映会でした。

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