“Ç”「スティーブ・ジョブズ(2015)」ファスベンダーとウィンスレットは良い、ただ… 

スティーブ・ジョブズ(2015)
Steve Jobs(2015)

スティーブ・ジョブズ

監督:ダニー・ボイル
出演:マイケル・ファスベンダー、
ケイト・ウィンスレットetc

評価:45点

スティーブ・ジョブズが亡くなって
すぐに作られたアシュトンカッチャー
主演の「スティーブ・ジョブズ(2013)」
は映画好きの間で、酷評された。
彼の人生を追っているだけで、
ジョブズの天才としての苦悩という
観客が最も知りたい内容をおざなりに
していたからだ。

あれから2年後、今度は毎回
凝ったヴィジュアルで映画人を
驚かせるダニー・ボイル監督が
一風変わったスタイルで
彼の人生と向き合った…しかし

「スティーブ・ジョブズ(2015)」あらすじ

1984年:Macintosh 発売会見
1988年:NeXT cube 発売会見
1998年:iMac 発売会見

直前の30分だけを抽出した会話劇。
あの伝説のスピーチの直前に起きる
機械トラブル、ライバルとの口論、
そして頑なに拒否し続けた娘リサ
との確執。
伝説の裏側にある天才の苦悩が今解き明かされる!

Macの歴史予習必須!コアすぎる舞台劇

本作の前提として、Macやスティーブ・ジョブズ
のことをしっかり勉強している必要がある。
なんたって、2時間専門用語を
マシンガントークのように話すので、
人物関係を理解していないと
大学の授業みたいに口あんぐりで
終わってしまうからだ。

本作は一言で言うと、
チョーわかりにくい「バードマン」である。

「バードマン」も本作も、
舞台裏でパフォーマーが抱える父親としての苦悩
描いている。

「スティーブ・ジョブズ」は自分の夢を
実現するために、断固として妻を認めず、
娘も認めなかった。しかしながら、
妻に比べて幼少期から自分に理解のある
リサを心の底では応援しており、
大学の学費を出したりする
ツンデレっぷりを魅せている。
しかしあまりに説明過多で娘の他に
ジョブズの敵であるスカリー
との戦いや、取材者との
情報戦を入れたが為に、
一番描くべき、
リサとジョブズ、そして
クリスアン・ブレナンとの
心情の変化が伝わってこない。
ジョブズは何故、あそこまで
頑なに拒絶するのかがわかりにくく
なっている。

「バードマン」の場合、
数々の落ち目の役者の
バックグラウンドを作品に
にじませる高度な作りを
しているが、未予習者でも
楽しめるように、
娘に嫌われた父親が
頑張る話を強調する
ことにより誰でも
熱くなれた。

しかし、本作は
完全に観客を置いてけぼりに
している。
「ジョブズのことは十分知っているでしょ」
と高慢すら感じる。

とは言え、年代ごとに
映像の質感を変える演出や
マイケル・ファスベンダーと
ケイト・ウィンスレット

時代ごとの演じ分けは
流石と言える。

うーむ、
スティーブ・ジョブズは
武勇伝が多すぎて、
完璧な伝記映画が出来るのは
まだまだ先のようだ。

予習におすすめな資料

スティーブ・ジョブズ(2013)

彼の人生の概要を学べます。

1984年:マッキントッシュ演説

リドリー・スコットに頼んで作ってもらった、
ジョージ・オーウェルの「1984」を
テーマにしたCMは圧巻!

スティーブ・ジョブズ1995
~失われたインタビュー~(2012)

性格の悪いスティーブ・ジョブズが
にじみ出るインタビュー。
彼の論破はえぐいぞ!

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