“Ç”映画化決定!就活生震撼のホラー小説「何者」

映画化決定!「何者」

先日我が法政大学の月刊誌を読んだ。
毎度、この時期の「法大生に読まれている本ランキング」
には「四季報」や「SPI」といった
読書で読む本ではない
ものがランキングのほとんどを占めている。
そんなランキングに唯一入った小説がある。

朝井リョウの「何者」だ。
「桐島、部活やめるってよ」で一躍有名、
映画化もされた朝井リョウが
「就活」をテーマに
アイスピックのように鋭い文章で
読む者の心をズタズタにしていく文体で
第148回直木賞を受賞した小説である。

最後のどんでん返しの特性上、
映画化不可能ではないかと思われていたのだが、
この度東宝が「愛の渦」の三浦大輔監督
よって映画化2016年秋にロードショー
することが決定した。

実はブンブン3年前くらいに本作が
直木賞を受賞した時に読み、
当時高校生ながら恐怖した思い出がある。
直視したくないが3年の封印を
解いて再読してみた…

何者のあらすじ


演劇部を引退した拓人は、
音楽サークルの光太郎や留学から帰ってきた瑞月、
意識高い系の理香と情報交換会と称し部屋に
集まるようになる。
一見仲が良く見えるが、twitterやES,ケータイ電話の
予測変換にエゴや本音が見え隠れし…

就活生が最も見たくないもの

これは就活生が読むと、ドンドン辛くなっていく
話だ。圧迫面接によって、自分の装備がボロボロと
剥がれていくような気になる。
朝井リョウが「大学時代にやらなくてもいい20のこと」
でジョークとして笑い飛ばしていたことも
武器として読者に投げつけていく。


名刺やSNS批判…意識高い系に対する鋭い目線を送っている。
そして本作は、時折twitter画面を表示していく。
読者は実生活の「本人」を知っているだけに、
ディスプレイ上の人は背伸びをしているだけ
に気がつき自分と対比させ始める。

もう、「痛い」「痛い」茨道を進んでいるかのようだ。
また、就活生であるブンブンが驚いたことは
webテストを共同でやっている描写だ。
確かに、就活は学生・企業無法地帯の中での
闘いだ。経団連の選考開始時期6月は
とっくのとうに破られ、ブンブンも既に
数社にエントリーシートを提出。
なんと1月下旬~2月に最終面接を開始する
ところまである。

某就活情報の共有サイトを見ても、
企業の選考情報は「受かった」か「落ちたか」
しか書いておらず、他人が質問しても
皆スルー。中には、面接の不満を
ぶちまけるようなスラム街になっていたりする。

Face to Faceだろうが、ネット世界だろうが、
就活生にあるのは表向きの「笑顔」。
裏はゲスの極みであることを、
余すことなく「何者」は描いている。

だから、就活生にとっては鏡で自分を
見ているような恐怖に陥るのである。
特に最後数ページの心臓えぐる
衝撃のシーンはホラー以外の何者でもない。

ブンブンも早く、就活を終わらせ
「何者」の映画版を楽しく観られる
環境を作りたいな~

なお、新書だと石渡嶺司、大沢仁著
「就活のバカヤロー 企業・大學・学生
が演じる茶番劇(光文社新書)」
が相当エグい話が書いてあります。


まるで2chの掲示板のような語り口で、
でも論理的に就活生だけでなく大学や
企業、さらには就活サイトまで多角的に
批判した凄まじい本です。
採用者側から見た「就活」が分かるので一読の
価値あるぞ!

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