“Ç”狭い一室からヒップホップが生まれた「THE COCKPIT」OMSBとbimのコラボレーション

THE COCKPIT

the cockpit

監督:三宅唱
出演:OMSB,bim,Hi’Spec,VaVa,Heiyuu

評価:80点

最近、確信したことがある。
それはヒップホップがテーマの作品に
外れはないとのことだ。
「ワイルド・スタイル」も
「ストレイト・アウタ・コンプトン」

そうだが、ヒップホップは社会的に
厳しい環境にいる人による魂の叫びが
独特なDOPE,グルーヴを生み出し、
じわじわと心に染みるタイプの
音楽である。
それ故に、それを題材とした作品にも
強いメッセージやソウルが込められている。

アパートの一室、それはコックピットだ!

映し出されるのはアパート、あるいは団地と思われる
一室。ベランダからラッパーがゾロゾロとやってくる。
そして、「SIMI LAB」のOMSBがおもむろにレコードを
だるそうに取り出し音楽を流し始める。
仲間達はそんなOMSBを見守るのかと思いきや
レッドブル片手に世間話を始める。
OMSBは、次々とおっつ!おっつ!と、良さげな音源を選び出し、
マシーンに出力している。

やがて、ゲーセンに置いてある音ゲーjubeatのような機械が
ピアノのように音を奏で始めると、仲間達が、
こうじゃね?こんな技あるよね~と議論を始め、
皆思い思いに曲作りに励み始める。

自分の出生や、田舎のこと、中国の歴史、
「THE OTOGIBANASHI’S」のbimのイメージを
ドンドンOMSBが形にしていく。

音楽映画にありがちな対立、
音楽が作れずに苦悩する様子もなく、
淡々とLIKE A ROLLING STONEの如く、
男達は音楽を創り上げていく。

部屋の一室がまさにタイトル通りコックピット
となり、創造の大海原を自由自在に飛び回る
様子は新鮮で、60分ぐらいの短い作品なのだが
インスピレーションあげあげでした(*^_^*)

先日紹介した「タクシー

」もそうだが、
ミニマリズムという極端に閉鎖的な
世界の中で、いかに世界を広げていくか。
どちらもそのやり口が素晴らしい。
本作の場合、音楽映画、特に
ヒップホップと言えば「縦」に
「横」にと「動き」があるものだが、
四方の壁を強調した閉鎖的な空間で
「前後」の動きを見せる。
閉鎖的なんだけれども開放的、
そして自由。この感覚こそ
ヒップホップなんだな~と感じる。

「サイタマノラッパー」や「8mile」
そうだが、ヒップホップの勝負所は
比較的閉塞感のある空間だ。

本作は、ヒップホップ初心者でも
ヒップホップができるまでを
肌で体感することができる。
それこそ「ストレイト・アウタ・コンプトン」
以上かもしれない。
そんな掘り出しドキュメンタリーに満足した
ブンブンでした。

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