“Ç”奇人ボビー・フィッシャーをスパイダーマンが好演「完全なるチェックメイト」

完全なるチェックメイト(PAWN SACRIFICE)

完全なるチェックメイト

監督:エドワード・ズウィック
出演:トビー・マグワイア、リーヴ・シュレイバー

評価:75点

冬休みシーズン、映画館で何を観ますか?
「スター・ウォーズ」?「妖怪ウォッチ」?
この二大スターが暴れている中、
TOHOシネマズシャンテでは
チェス映画が公開された。
その名も「完全なるチェックメイト」。
この時期に公開していること自体が
チェックメイトな気がするが、
シャンテさんは年配の方で賑わっていたぞ~

ボビー・フィッシャーの伝記

天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーが
ソ連のチャンピョンであるボリス・スパスキーと
戦うまでを描いた伝記映画。

幼少期から、チェスにのめり込み完全オタクとなった
ボビー・フィッシャーは負け知らず。
あまたの強豪をなぎ倒していた。
んで、ソ連の強豪ボリスと戦うが敗戦。
悔しいあまりに再戦を挑む。
しかし、マスコミが冷戦と掛けて
煽りまくったため、ボビーの精神が
狂い始める…

「チェス」、しかもプロの世界という
地味で動きの少ない、しかもどちらが
優勢か非常に分かりにくい題材なのだが、
エドワード監督のボクシング映画のような
映像の展開と、役者の顔芸で
非常に躍動感のある映像に仕上がっている。

相手の数手先の手を先読みし、意外な方法で
乱し混乱させる。この手はトラップかと
手汗握る頭脳戦が、トビー・マグワイアや
リーヴ・シュレイバーの目線から
にじみ出ている為、
チェス初心者でもどちらが優勢かが分かりやすい。
んで、それこそ「クリード チャンプを継ぐ男」
のように白熱する。

トビー・マグワイアといえば、「スパイダーマン」
シリーズ以降ぱっとしないイメージが
強かったが、本作では顔芸はもちろん。
オタクで常人には理解しがたい奇怪な
動きに立体感、現実味をおびさせており、
まさにボビー・フィッシャーがそこにいる
と思わせる迫真の演技を魅せ返り咲きを思わせられた。

冷戦とチェス

チェス映画としては、ジャンプ漫画っぽい
熱い展開も重なって非常に面白いのだが、
どうも冷戦絡みが上手く描けていない気がして
惜しかった。

確かに、ボリス・フィッシャーは政治に無頓着。
冷戦なんて知らねぇ、俺はボリスに勝つと
豪語していたのに、後半になるに従って
怯え始める。果たしてその怯えが、
社会を煽りすぎてソ連のスパイに暗殺される
恐怖なのか、ボリスに再び負けることの恐怖なのかが
はっきりしない。恐らく、後者が強いんだとは
思うのだが、天才チェスプレイヤーと政治の
兼ね合いの表現に微妙な部分があったのは残念だ。

とは言え、観て損はない。
観る作品に困ったら、シャンテで本作を
観てみてはどうだろうか?

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