“Ç”渋川清彦が好演!「お盆の弟」

お盆の弟

お盆の弟

監督:大崎章
出演:渋川清彦、光石研etc

評価:80点

すっかり師走なこのご時世。
映画好きは毎年この時期は
今年のベストテン作りに
追われる時期である。

ブンブンも今年は飛行機や
試写会等含め約200本ぐらい
新作を観たが結構見逃した作品が
多い。「グッド・ストライプス」や
「きみはいい子」、「草原の実験」、
「ラブバトル」etc

そんな中、映画友だちが大絶賛し、
危うく見逃すところだった「お盆の弟」
を観ることに成功したぞ~

最近イケイケな渋川清彦主演の
映画監督苦悩ものだ!

「お盆の弟」あらすじ

映画を一本作って成功への道を
切り開いたかと思いきや、
ニート気味な兄のいる地元の
実家で尻つぼみ人生を歩んでいる
映画監督が、妻にも離婚を
迫られどん底の状態から
奮闘する日々を追ったドラマ。

実際に本作の監督大崎章は
初監督した「キャッチボール屋」
第16回日本映画批評家大賞新人監督賞を
獲って以来10年くすぶっていた
人生をベースにしている。

ベタだが味がある

最近、学生や社会人のインディーズ
映画をよく観るがこの手の
「作品が作れない自分」「失恋した自分」という
人生の挫折ものがなんて多いことか。

とは言っても、この手の作品って
作り手の身を削って血や汗がふんだんに
滲んでいるので観客の心に染みる。

今回も例外ではない。
なんたって、主役の選別から監督の粋さ、
本気が見えてくる。
主役の渋川清彦って見た目からB級の
オーラが漂う。実際に現実世界でも
「極道大戦争」や「ソレダケ that’s it」
チンピラをしている。記憶に残らないかと
思えば、妙に記憶に残る中途半端さ。
まさに、人生の倦怠期、もがいてももがいても
一流にもZ級にもなれない苦しみを
演じさせるのにぴったりな選択だ。

また、光石研が一流のクズ男を演じているから
これまた味がサザエの底の身のように苦みを帯びている。

といっても、渋川清彦…今回、最高の演技を
魅せている光り輝いているのだ。
妻と娘がいるんだけれど、2本目の映画が
撮れずに頭があがらない。クッキングパパに
なって主夫に務めるが、妻に見捨てられてしまう。
「えっつ!」と明るく振る舞おうとしている
のだが、オーラに焦りをちらつかせる様子や
酒に酔いつぶれる哀愁ある風貌
ユーモラスなんだけれども哀しみのある
難しい演技を違和感なくこなしていた。

その職人芸が、美しい白黒映像に
映し出すと、まるで小津安二郎のような、
寅さん映画のような懐かしさ
懐かしさと切なさと笑いがビッグバンを起こす。

正直展開はベタだ。
監督の人生ものだなとは思うのだが、
それでも監督と役者の手腕がキラリと
光る作品でした。大崎章監督は、もう
この諸刃の剣は使えない。次の作品で
どんな傑作を作るかにかかっているぞ!
ブンブンは全力で応援します!

アップリンク「見逃した映画特集2015」で公開決定

毎年、ブンブンも話題作をいくつか見逃す。
そういったときにアップリンクが開催する
「見逃した映画特集」がメッチャ便利!
一般,300円、学生1,100円で観られますぞ!
「お盆の弟」は12/26~12/28に公開されますよ!

ブンブンの気になる作品1「グッド・ストライプス」

上映日:12/27,12/29,1/5,1/6,1/24

ブンブンの気になる作品2「きみはいい子」

上映日:1/23~1/29

ブンブンの気になる作品3「ラブバトル」

上映日:12/20,12/30,1/7,1/16,1/17,1/20,1/29

詳細はアップリンクサイト

にて!

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