東京国際映画祭グランプリ作品「ニーゼと光のアトリエ」2016/12/17公開

ニーゼと光のアトリエ
(NISE-THE HEART OF MADNESS)

ニーゼ

監督:ホベルト・ベリネール
出演:グロリア・ピレス、ファブリシオ・ボリヴェイラ、
アウグスト・マデイラ

評価:70点

東京国際映画祭グランプリを
受賞したブラジル映画「ニーゼ」。
今年はヴェネチアで同じく
ブラジルのインディーズ映画
「NEON BULL」が審査員大賞を
受賞しておりイケイケであるが
果たして…

「ニーゼ」あらすじ

ドキュメンタリー畑の監督
長編ドラマ2作目。
ショック療法で精神病患者を痛めつけて
患者を更生している施設に
赴任した女医ニーゼが
異議を唱え、
芸術療法で患者を治そうと
するが男性社会という壁が
ぶち当たる…

元々監督は、
盲目の人や飛行機事故で自由を失った人
など苦境に立たされた人のドキュメンタリーを
作っていた人なので、リアル路線だ。
まるで、女医ニーゼ本人の仕事に
密着している。
言わば「プロフェッショナルの流儀」
観ているような作品である。

「Born to be Blind」予告編

「Herbert de Perto」予告編

しかし、ドラマ的描写もしっかり描かれている。
例えば冒頭。
分厚い鉄扉を叩いても中々職員が出てこず苛立つニーゼ。
しかし、何度も諦めずにガンガン1分ぐらい叩くシーンがある。
ここで、ニーゼの我慢強い性格が凝縮され描写されている。

また、ショック療法の描写もドキュメンタリー的撮り方の
特性を活かして、ここぞとばかりに強烈に描いている。
観る者は「うぁ~痛そう」と恐怖を覚える。
これこそが狙いで、実際に精神病院で
行われていたことをスキャンダルに暴き出す。

そして後半、患者が決して上手いとは言えないものの
美しい絵にカタルシスを覚える…

この手の映画はやっぱり強いな~
映画祭のグランプリを獲るのは
当然だと感じた。

しかし、肝心な芸術療法の患者と女医間の
描写が少し浅い気がした。
いくら芸術療法が効果的だとしても、
あんなにすぐ患者の
心は変わるのだろうか?

患者の中には「絵なんか描きたくない」と
暴れ出す者もいてもいいのに、
そこの描写は弱めである。

女医が他の医者と闘うことに
フォーカスを当てすぎて、
どこか患者は
距離が置かれた存在って印象を受けた。

惜しいな~。

日本公開決定

2016年12月17日(土)より
ユーロスペースにて公開が決定しました!

(「ニーゼと光のアトリエ」公式サイト

)

東京国際映画祭もの記事

・「シュナイダーVSバックス

」感想
・「ケンとカズ

」感想
・「灼熱の太陽

」感想
・「ルクリ

」感想
・「ヴィクトリア

」感想
・「IF ONLY

」感想
・「フル・コンタクト

」感想
・「コスモス

」感想
・「ビースト・オブ・ノー・ネーション

」感想
・「ぼくの桃色の夢

」感想
・「地雷と少年兵

」感想
・「WE ARE Perfume

」感想

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です