“Ç”ダンスなきインド版「ヒロイン失格」、「IF ONLY」

IF ONLY(KAASH)

IF ONLY

監督:イシャーン・ナーイル
出演:ニディ・スニール、ヴァルン・ミトラetc

評価:75点

インド映画は最近変革の時を迎えようとしている。
ダンスがない映画がここ数年増えているのだ。
今回、新人監督新人女優で作られた
完全インディーズ映画「IF ONLY」
もまさにその通り。
ってことで観ていくとしよう。

IF ONLYあらすじ

女優と付き合っていたが、仕事によるすれ違いから
破局悲しみに暮れるアーディルはネットで知り合った女性
クシャーリに会うためにインドのアーメダバードに青年が降り立つ
ところから始まる。

クシャーリはすぐにアーディルのことが好きになり
献身的態度で彼を慰め、一緒に旅にまで出るが、
中々彼の心は癒えない。

そんな中、女優の方からアーディルに
復縁しようと接近する…

美しいヒロイン失格

んっ最近聞いたことある話だな~
と思ったら、当ブログでも絶賛した
ヒロイン失格


の男女逆転、話を壮大にした内容でしたw

でも、カメラマンのタナイ・サータムの手腕により、
あっちに比べるととっても美しくみずみずしい。
どこか高級感のある作品でした。

Q&Aでブンブンが監督に原題のKAASHの意味を問い、
監督が思い出のホテルから取ったと言っていることから、
非常に監督の想いが詰まっている私小説的な
描き方と言えよう。
IF ONLY

主人公アーディルは、クシャーリに迎えられるが、
劇中何度も回想する。
写真は好きだが、失恋で全く撮れなくなり、
緩やかな死を願うがごとくタバコをふかす
(この作品のタバコの使い方が上手い)。

クシャーリはアーディルが好きすぎて
なんとかしたいのだが、
全然彼が元気になってくれなくて…
「ヒロイン失格」の1000倍切ないです。

アーディル気づけ!気づけ!と
ブンブン画面の中に入りたい
気持ちでした。

監督は自分の思い出を切り売りする

先日、観た「ぼくの桃色の夢

」もそうだが、
監督は結構初期に自分の中で大事な思い出を
映画化しようとする。
それこそ、新藤兼人だってデビュー作の
「愛妻物語」だって、下積み時代の
溝口健二とのエピソードを描いている。
そして、この手の作品はどれも良かったりする。
だから、これからだ!
イシャーン・ナーイルが今後、
どんな良い作品を生むかに注目である。

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