“Ç”ソフィア・コッポラ初監督作「ヴァージン・スーサイズ」

ヴァージン・スーサイズ(THE VIRGIN SUICIDES)

ヴァージンスーサイズ

監督:ソフィア・コッポラ
出演:ジェームズ・ウッズ、キャスリーン・ターナー、
キルティン・ダンストetc

評価:40点

春学期に授業で「ブリングリング

」を
観た。ソフィアコッポラ映画特有の
デカダンス描写が特徴的だったが、
その原点は監督デビュー作
「ヴァージン・スーサイズ」にあった。

これまた授業で観たのだが、
全く同じような構図が
多用されており、
観応えあった作品でしたぞ~

少女死に過ぎだろww

ジェフニー・ユージェニエスの
「ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹」
を映画化したわけだが、
そもそもの話がクレイジーだ。

5人姉妹の一人が自殺したことから
連鎖的に、少女が自殺し
家庭が崩壊するという内容なのだが、
そりゃ、おかん発狂するわな~
と納得である。

1970年代ベトナム戦争が悲劇的な
結末を迎え、オイルショック等もあって
アメリカの中流階級が破綻、
貧富の格差が広がりつつある
アメリカを舞台にドンドン破滅に
向かっていく家庭を
ソフィア・コッポラは
持ち前の映像センスで美しくも
退廃に満ちあふれた世界観を創り出した。

しかし、ストーリーに難あり

よくTSUTAYAのオススメコーナーに
置かれているし、映像センスは最高だとはいっても、
このソフィア・コッポラデビュー作
は必ずしも傑作とは言いがたい。

監督が時分の持っている気持ちを、
コントロールできずに総て描こうと
するあまりに支離滅裂で伏線を
回収していない物語となっている。

この話は、大きく分けて3つのパートから
成り立つ。
一つは少女たちの家庭での話。
末っ子セシリアの死をきっかけに
家族の心が乱れ悲劇を生む内容だ。

二つ目は近所に住む少年ののぞき見部分。
まるでヒッチコックの「裏窓」
彷彿させる男子なら分かる
ワクワクのぞき見話だ。

そして三つ目。
チャラ男が好きな女の子を
ダンスパーティに誘おうと
奮闘する話。

一つ一つ面白いネタなのに、
本作では群像劇のように、
互いのストーリーを絡ませるのを
避け、単品で描くから、
男子が主人公のパートが
ずっと出オチ感!

或る種の主人公なのに、
脇役ってイメージを払拭できないでいる。
また、忘れた頃に他のパートを繰り出すから、
混乱すら呼ぶ。

それに加え、中途半端にストライキシーンを
挟んだりする為、もはやカオス。
映像の裏側を読もうとするが、
どれも中途半端でベクトルが見えてこないのだ。

しかしながら、「SOMEWHERE」や「ブリングリング」
を観るとソフィア・コッポラが何を言いたかったのかが
分かってくる。

この作品は単体で観るのではなく、
彼女の他の作品と見比べるべき
作品と言えよう。

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