“Ç”大島渚特集②大阪のヤクザ「太陽の墓場」

太陽の墓場

太陽の墓場

監督:大島渚
出演:炎加世子、津川雅彦etc

評価:65点

昨日紹介した「青春残酷物語」。
そのわずか2ヶ月で大島渚は
激しいヤクザ映画を世に放った。
それが「太陽の墓場」である。

「仁義なき戦い」が、
焼け野原の広島から血なまぐさく
這い上がった男を描いたのに対し、
こちらは大阪で力強くヤクザとして
生きる男たちを描いている。
短い作品ではあるが、
渾身の作品だ。

「太陽の墓場」あらすじ

一帯を仕切るヤクザを恐れるように
大阪ドヤ街転々とする愚連隊。
そんな会長のもとにとある会員が
新しい仲間を連れてきた。
しかし、内乱が勃発し…

血なまぐさい…

大阪ロケが功を奏し、
画面から汗水がぶぁ~と
吹き出すような
「仁義なき戦い」
負けぬ画力が底にありました。

愚連隊の会員ヤスは
生活費を稼ぐために、
会長にナイショで
日雇い労働者の血を
売る闇商売をしている。

この血のボトルが陳列されている
シーンが不気味で、
しかもこうして稼がないと後がない
様子が切なくてたまりません。

また炎加世子(もちろん芸名、本名は三塚 賀世子)
の目チカラが凄まじい!!!
汚く荒んだドヤ街で唯一光り輝く天使。
ファッションもオシャレなのに、
ドヤ街に入ったとたん、
汚らしいくなっていく
切なさ。

そんな過酷な状況で男勝りに
ヤクザな連中と世を渡ってく
彼女の生き様がクールだ。

まあ、確かに「青春残酷物語」
程の強烈さ。詩的なストーリー
はないものの、
相も変わらず徹底して
反骨精神。

チャラチャラして
どこかボンボン臭い太陽族
映画
に反発したかのように、
ストーリーは太陽族映画そっくり、
でも背景は真逆に描き分ける
大島渚の精神気に入りました(*^_^*)

↑太陽族映画の代表作「狂った果実」予告編

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