“Ç”ボンドより愛をこめて「キングスマン」

キングスマン(KINGSMAN THE SECRET SERVICE)

キングスマン

監督:マシュー・ヴォーン
出演:コリン・ファース、サミュエル・L・ジャクソンetc

評価:90点

今年はスパイ映画イヤーだ!
トムクルーズのミッション:インポッシブル
や007も公開される。
脇では、ガイ・リッチーがいるという
激戦区の中、ダニエル版007に喧嘩を
売った「キングスマン」が公開されたぞ~

マシュー・ヴォーン、
本当はボンド映画撮りたかった?

「キック・アス」の過激な描写でお馴染みの
マシュー・ヴォーン監督。
この作品は明らかに嫌がらせと
思うほど007のオマージュや皮肉を
込めまくっている。

「昔の007の方が面白かった」
「悪役がトンデモナイ方法で世界征服
しようとするが、ボンドはトンデモナイ方法
で世界を救う」
「マティーニをウォッカ割ではなくジンで!」
とアンチボンドな発言ばかりしている。

現に彼は以前ダニエル・クレイグ主演の
ブリティッシュ・ギャング映画
「レイヤー・ケーキ」を撮っている
だけにまさに「恨み節」連発と言えよう。

それだけに、定石崩しとオマージュの
精度がやたらと高い。よっぽどボンド
マニアじゃない限りあらゆる
ボンド映画ネタを引っ張ってくる
のは難しい。

なんたって、ボンド映画史上
最も珍作な「ムーン・レイカー」
までオマージュしているのだから、
しかもストーリーが崩壊しない
ように宇宙にいくのだから本当に凄い。

要塞の所は、「美しき獣たち」っぽい
飛行機は「トゥモロー・ネバー・ダイ」
に似せている。
また、ラストのお色下シーンも
ボンド映画定番のあれである
(なんかの作品そっくりなのだが思い出せない)。

でも、アクションはヴォーンスタイル

そう、これはマシュー・ヴォーン版007
なのだが、オマージュだけではなく、
彼お得意の激しいアクションも盛りだくさんだ。

陽気な曲に合わせて教会で戦うシーン。
アメリカでは絶対作れない、
こことぞまで貶す悪口を
火ぶたに開始される5分間
にも及ぶ殺戮は、
描写が非常に細かく
旧来のボンド映画では描けない
激しさを隠し持っている。

また、観客がもう一度みたいで
あろうシーンを、サービスで
もう一度演出してくれる
きめ細かさもあって
観終わった後の
満足感は素晴らしいであろう。

上映時間も、2時間で
よくスパイ育成~ボス撃退
までを描ききったなーと
思うほどコンパクトでグッド!

デートにも使って旨し、
映画オタクが一人でニヤニヤ
してもよし。
全く今年の大御所に
引けを取らない作品でした。

↑「007/スペクター」は12/04公開

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