“Ç”ビル・マーレイ最高の演技!!「ヴィンセントが教えてくれたこと」

ヴィンセントが教えてくれたこと(St.Vincent)

ヴィンセントが教えてくれたこと

監督:セオドア・メルフィ
出演:ビル・マーレイ、ナオミ・ワッツetc

評価:80点

ビル・マーレイが冴えない荒くれおじさんを
演じた「St.Vincent」がようやく日本で公開されました(*^_^*)
上に貼り付けたが、スイスの映画館でクールなこの作品の
チラシを入手したときからめっちゃ楽しみに
していただけに嬉しいぞ!
早速、TOHOシネマズ日本橋でウォッチング!
田中邦衛ばりにハズレないビル・マーレイの
演技は果たして…

旅しない「菊次郎の夏」

なんか、暴力とは無縁な少年が
荒くれじいさんからワルを教えられ、
良い方向に成長していくプロセスが
「菊次郎の夏」を彷彿させる、作品でした。

低予算映画な為、舞台のフィールドが
非常に狭い。プロットも「菊次郎の夏」
を「グラン・トリノ」を始め
スタンダードな構成。
決して珍しい展開が用意されているわけでもない。
しかしながら、非常にワクワクさせられる。
ぐいぐいと作品に引き込まれる。

その理由は、まさにビル・マーレイ
迫真の「ダメオヤジ」を演じているところにある。

ビル・マーレイ演じるおじさんは、
競馬に酒、女に溺れるけちな男。
引っ越してきた隣人の息子を
臨時で預かることになった際、
「時給12ドルな!」と言うほど酷い奴を演じている。

こんな寂れきったおじさんを、
オーラから完全に演出しきっているのだビルさんは!
ヤクザのような肩幅をアピールした歩き方や
てやんでぃ口調、見事に「浅草によく良そうな
てやんでぃオヤジ」を体現している。

しかも、ビルさんはそれ以外にも様々な顔を
魅せてくれる。ベビーシッターを渋々
受け入れるようになってからの、てやんでぃな
性格を変えずに若干優しい表情になる
繊細なキャラ変化、ある場所に行ったときの
表情の急変、そして何よりもネタバレになるので
言えないのだが後半30分のリアルな「アノ」演技。

まさにこの作品はビル・マーレイの役者人生
集大成な顔芸をエンドロールまで魅せてくれる
映画好きには至福の作品なのだ。

もちろん、映画好き以外にも非常に泣かせてくれる
ポイントがある。
この作品の原題が「St.Vincent」、聖なるヴィンセントさんって
なっている。聖人とは全くかけ離れている、酷い
オヤジが何故「St=聖なる」と呼ばれているのか?

少年が魅せるヴィンセントおじさんとの友情の
証を披露するシーンにマジで泣かせます。

話自体は凄いこぢんまりとしていて、
あまりにリアルすぎる悲惨なアメリカ
の低層を描いているのだが、
ビル・マーレイのユーモラスたっぷりな
演技にほっこりしました。

↑ビル・マーレイ、カラオケに挑戦
「ロスト・イン・トランスレーション」より。

↑ビル・マーレイと言えば、「ゴースト・バスターズ」!

セオドア・メルフィ監督or脚本作ブンブンレビュー

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