“Ç”泥棒モノ?それとも…「ブリングリング」

ブリングリング(THE BLING RING)

ブリングリング

監督:ソフィア・コッポラ
出演:エマ・ワトソン、ケイティ・チャンetc

評価:60点

ゴッドファーザーPARTⅢ」「スター・ウォーズ/ファントム・メナス
で役者として酷評されるものの、
ロスト・イン・トランスレーション」「SOMEWHERE」で
凄腕監督として認められたF.F.コッポラの娘
が実際に起きた事件をベースに描いた話。

しかし、毎度毎度ソフィア・コッポラ自身を反映する
スタイルを変えずに描いたので、
普通の実話ものとはひと味違ったテイストになっている。

実話の泥棒話なのに…

確かに「オーシャンズ11」や実話ものだと
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」と、
盗んだ後に裁判等で裁かれるシーンが少ない
映画もある。

しかし、この作品はヒジョーーに違和感がある。
痛快泥棒ものにするのなら、
警察に捕まってからの、
取り調べや仲間との「囚人のジレンマ」っぽい
心理戦のシーンは余計だと思う。

かといって、法廷ものだと考えると
あっさりと判決を下され、
目まぐるしく、トランプでカードを
引くように唯々出来事を追っている
よう展開するのであさーい感じになっている。

んじゃ、なんでソフィア・コッポラは
あそこまで切れ味悪く描いたのか?

そう考えたときに、やはりこの作品も
ソフィア・コッポラの人生が投影されている
と考えられる。

モノは多いが空虚の心

そもそも、本当の事件は
ガールズ泥棒集団の中に男が2人
いるとのことだが、
この作品だと「マーク」一人しか
荷担していないことからも確信犯だと言える。

マークは転校早々、ギャルに連れられ、
パリス・ヒルトン等の家へ盗みに連れられる。
マークは時に盗みの快楽を味わうが、
やはりどこかで罪の意識を感じ、
ギャルたちを止めようとするが
結局快楽の世界へ引きずり込まれる。

この感覚は、ソフィア・コッポラの
物心ついた頃からセレブな世界にいて、
少女だった彼女の常識では
あり得ないことが起きていることへの
抵抗、しかしどう頑張っても
あがなえない苦悩が描かれている。

また、実際に犯人の家庭もそうなんだろー
とは思うが、やたらと宗教つ浸かり学校に
通わせず自宅で教育する家庭が強烈に
クローズ・アップされるところは、
やはりデカダンスな上流階級の
暮らしぶり、ソフィア・コッポラの
体験した「ぶっちゃけ話」が反映されているといえる。

実は泥棒の話ではない

カンヌっぽい、オシャレだがちと掴みにくい
ストーリーで描かれた今回の泥棒物語、
やっぱり「マリー・アントワネット」の
セレブの世界で大人に呑まれていく女像や
SOMEWHERE」のようなモノに溢れているが
心は空虚な感じとテーマが被っていて、
ただ単に今回扱った話が「泥棒」だったに
過ぎないことがわかった。
だから、犯人がどうなったかについては
興味がなく、あくまで犯人が自分の思春期時代に
どう似てたかについて語った、
結構、私小説っぽい作品なんだと言える。

それにしても…

そして、驚いたことが
FASHION PRESSによると、
この作品のロケ地がなんと!
被害者のパリス・ヒルトンの
豪邸だったのだ!

ルブタンとか盗まれておきながら、
映画でも本物の家で盗みを
させる。パリス・ヒルトンの
マインドが凄すぎて
驚愕した瞬間でしたw

あと、本当にコッポラ家は映画一族で、
この前カリコレ2015で上映していたが、
ソフィア・コッポラの孫娘である
ジア・コッポラが映画を作ったってよ~
すんげー家庭やなw

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