”Ç”映画で辿るユダヤ人迫害の真相「イーダ」

イーダ(IDA)

イーダ

監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
出演:アガタ・クレシャ、アガタ・チュシェブホフスカetc

EUフィルムデーズで2014年度
アカデミー賞外国語映画賞
に輝いたポーランド映画
イーダ」を観てきました。

ポーランド映画と言えば、
アンジェイ・ワイダ
カヴァレロヴィッチ
巨匠が多くアカデミー賞を
獲っていると思いきや、
今作がポーランド映画史上
初めての受賞とのこと。

アブデラマン・シサコズビャギンツェフ
強敵揃いだったアカデミー賞で
よく勝ったなーと感心。
でも映像を観たらすごさに気づくぞ!

美しすぎる映像

通常のシネマサイズよりも小さい
スタンダードサイズで白黒という
最近見ないタイプの作りの今作。

まるで、昔の写真が動くような
重厚なフィルム感を演出する。

その映像の中で繰り広げられるのは、
修道院の女と謎の叔母の過去を巡る旅だ。

孤児として修道院で育った少女アンナの
本名はイーダ・レベンシュタインで
ユダヤ人と謎の叔母に告げられる。

少女は、何故両親に捨てられたのか?
何故、人種や名前を偽って育てられたのか
を知るために叔母に連れられ親族周りを
するのだが、どうもおかしい。
皆語りが足らない。

今月公開の「ルック・オブ・サイレンス
のような悲しい人間の心理がそこに描かれている。
辛い過去は、自分の記憶の奥底に
南京錠を付けてしまい込み、
誰も開けられないようにする。
真相を知るために、開けようとすると
人を傷つけてしまう。

美しい映像なんだけれど、
そんな冷たく厳しい心理を
同時に映像で魅せて
考えさせられた。

ラストショットの細かい描写

実は79分と短い作品。
んでこの手のロードムービーは、
目的達成したら本陣に帰って
旅の仲間とお別れするのが
常とう手段だが、
この作品は別れたあともしばらく
物語が進む。

何でもないような、
カットを連続して魅せておいて
いきなり落とすシーンがあるのが
強烈だ。
ただ、別れておしまいだったら
普通のユダヤ人もので
アカデミー賞を獲れなかったと
思うが、このシークエンスと
そのあとのイーダの動きで
作品クオリティを底上げした。

なんで、叔母はイーダに
真実を知る旅へ導いたのか?
イーダはこの旅を通じて
成長できたのか?
最後の10分できっかり見せてくれる。

短いながらも、
丁寧なつくりのこの作品。
6/9(火)15:00からまた
フィルムセンター
で上映するので
是非劇場でウォッチしてみてくれ(*^-^*)
「イーダ」予告編

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