“Ç”あり得なく、楽しきオペラ体験「CASANOVA VARIATIONS」

CASANOVA VARIATIONS

監督:Michael Sturminger
主演:ジョン・マルコビッチetc

「映画」は発明当時から、
演劇の枠をどれだけ超えられるかの
戦いだった。

映画黄金期ハリウッドでは、
演劇の舞台裏、映画制作の舞台裏の
を描くメタ的ミュージカルが
作られた。

近年だと、現実と演劇・映画の
境界がなくなる「ブラック・スワン」
「アンナ・カレーニナ」の
ような作品が作られるように
なった。

ようは、この手のメタ的作品は
やり尽くした感がある。
それなのに、ましてや
数度映画化されている
ジャコモ・カサノヴァ、
巨匠フェリーニも映画化
している色男の人生を
またしても映画化。
かなり厳しい挑戦なのだが、
このオーストリア映画は
見事に新しい境地へ
突き進んだ快作でした(≧∇≦)

物語の始まりはまるで、
オペラのライブビューイング
のよう。

オペラ座を映し、集まる人も
映す。舞台の裏方、俳優が
忙しなく動き開幕!

完全ライブビューイングである。

そんなライブビューイングと
融合させるのは、カサノヴァの
生涯(晩年)。年老いてもカサノヴァの
色男ぶりはバリバリ!
屋敷の人を片っ端からやりまくり
ますw
しかし、それにつけ込んで
彼の遺作になる「我が生涯の物語」
を奪おうとするスパイが
現れる。
さらには、舞台裏の愛憎劇
まで絡めてくる豪快さ^o^

近世の描写を描いていると思いきや、
いきなり歌い始め、オペラ座に
場面を戻す。

舞台の扉を開けるとオペラ座の
観客席に出て、通常同時に映す
ことが不可能な「観客」と
「演じている役者」の
共存を可能にするハチャメチャさ。

実際のオペラではあり得ない
ハプニング。ロックライブか
と思う程の観客と役者との
一体感!ファンタジーな
世界なのに、まるで観ている
自分も同じ会場に
いるみたいである。

話によると
監督のMichael Sturmingerは
音楽芸術やオペラをガチで
学んだとのこと。

だから、こんな複雑で
近世とオペラ座体験両方の
雰囲気を全力で醸し出す
ことができたんだね。

マルコビッチのハゲとカツラの
使い分けも面白く、
オペラ好きにはたまらぬ
作品でした♡

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